バナナの旅日誌

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RPGとしての良い所


キャラストの良い所

 このキャラストのRPGとして良い所ってどこでしょう。多分序盤の部分に尽きるでしょうか。ホテルに喩えてみると、エントランスエリアは立派です。実際、旧館部分に相当する開発初期に作られたRPGはいわゆるRPGとして、期待させるだけの魅力は十分あります。グラフィックは手書き調で、一昔前の開発である古臭さを隠す工夫と言えるでしょう。 また当時のインタビュー記事には、某氏は キャラスト開発当時以前の過去のスマホゲーム を指して『この手のゲームは僕らが子供のころ慣れ親しんだRPGとは,もはや別物なんですよね』と批判しながら『スマホプレイヤーにも,昔ながらのゲーム体験を与えてあげたかった』とも言っていたようです。だとすると立派なお話ですね。たしかに、そんな『意図』に沿った雰囲気が『ゲーム序盤』で感じることができます。多くのレビュー記事はこの序盤を紹介している様です。そして、新規ユーザーはしばらくは、この旧館部分で過ごすことになります。

 そう。しかし。

 中盤以降は様子が変わります


 序盤で盛り上がった期待は長くは続きませんでした。
 特にRPGの後半。
 新館部分として継ぎ足された部分で現実が見えてくるように感じました。
例えば ( https://masters.caravan-stories.com/posts/ioorwisi ) など、RPGとしての『感動の開放感』とは程遠い、残念な気持ちだけが残るようなストーリーが後半には見られるようになる印象を受けました。
 さらに( https://masters.caravan-stories.com/posts/rxixcrvn ) など、最近のイベントのストーリーに至っては、輪をかけて質が落ちている様です。読むのが苦痛に感じます。作りも決まった定型のキャラ動作(笑い、怒り、悲しみなど)を組み合わせた紙芝居的なものが多用されます。
 さすがに、ここに至れば当初『期待したRPGのゲーム体験』の感動は得られなさそうだという事が僕にでも、わかるようになるわけです。

 ただ、旧館のエントランス部分に相当するプログラム序盤の造作が良いために、この実態に気がつくまでの時間がかかるのです。またその時間は人によっては差があるように思います。

仕組み?

 添付の様な画面。この画面からは、いわゆる王道的なRPGを想像しました。当然、これを見ればユーザー目線だとキャラストのメインコンテンツはRPGであり、通常、メイン以外のコンテンツはメインを補助的に彩るものだと思うわけです。
 しかし実際に運営的に1番に強化しているのは本来のメインコンテンツ側ではなくPVP側であるようです。実は開発当時の記事にも、PVP側の方に1番力を入れたい意図がある旨の発言もあった様です。
 とすれば、実は 現在ユーザー目線で感じる『入口はRPGだが居場所はPVP』という矛盾は当初から作り込まれた構造的なものだとも思えるのですが、どうでしょう?

 とすると疑問が湧きます。


 PVP側が実質メインだとして、実質的にメインではないRPG側の看板をなぜ下ろさないのか?

 そこが不思議です。


いわゆる業界はどうでしょう

 話は変わりますが、業界はどうなんでしょう?
 実は一般にメインコンテンツと大きく異なるエンドコンテンツで課金を期待する場合も一部にあるようです。その場合、メインコンテンツはゲームの間口を広くして、集客用途の様です。
 一般的目線で言えば、普通は『目的の違う看板』で集めても、『それで集めたユーザーに高い定着率は望めないはず』ですので『本来なら意味がない』はず。
 でもここで『別の目的』があるとしたらどうでしょう。
 実際の所、ある『一定の長期課金者、重課金者』がゲーム内におれば、特に長期間継続しているゲームなら特に、その維持だけをすれば良いという経営判断もあるかも知れません。
 この『一定の長期課金者、重課金者』には、PVPなどのコンテンツで課金成果を実感させて繋ぎ止めるために、ある意味『噛ませ犬※的な対戦相手の補給』は必要になるかもししれません。新規ユーザーの定期的な補充は、『一定の長期課金者、重課金者』達が気持ちよくゲージで金の卵を産み続けられる、その『課金意欲の保持』には必要不可欠なのでしょう。
 そのためにも、とにかく過疎ってるイメージだけは避けたいという事かもしれません。
 ユーザー目線からは『目的の違う看板』に見えるもので集めても『それで集めたユーザーは定着率は望めないはず』なので『本来なら意味がない』と不思議に思ったとしても、こう言った目的であれば『運営側から見れば矛盾が無い』とする理由が生まれるかも知れません。


 RPGの本来の良さ

 話を戻します。
 正直言って、現状を見れば『スマホプレイヤーにも昔ながらのゲーム体験を与えてあげたい』というコメントは、単に看板に書いた美辞麗句の様に、少なくとも今の僕には虚しく聞こえました。
 本来の RPGの良さは、最終章あってこそと思います。何日もかけて、旅の果てに辿り着き、そして迎える風景。そんな風景やシーンがあってこそ感動が生まれると思います。エンドロールを見ながら涙する、映画にも似た、感動体験が本来のRPGの良さだと思います。
 そう言った体験と比較すれば、先に述べた ( https://masters.caravan-stories.com/posts/ioorwisi ) や、( https://masters.caravan-stories.com/posts/rxixcrvn ) などは、その感動体験からは程遠い様に僕は感じました。

ごく最近の業界の一部の話

 業界には実にさまざまなゲームがあります。
 実際、僕も最近色んなゲームを楽しんでいます。とあるゲームでは山を越える難所で、しんどさに音をあげそうになりながら、なんとか耐えて越え、その先の美しい風景と流れる音楽に感動しました。そんな感動体験は、今どきのゲームでも『できるものはできる』ものなのです。
 また、更に僕の体験とは別件ですが。ニュース等で知ったのですが、従来ならガチャ課金するところを、あえて落とし切り販売形式で、追加コンテンツ課金程度に留めたゲームをあえてリリースしたりする動きも最近の業界の一部にはあるようです。新たな動きかもしれません。


 ゲーム業界も、ユーザー本位の良い方向に向かえば良いなぁと心から思います。

 ゲームは、感動して想い出になり語り継いで記憶に残る、そんな良質なエンターテイメントになりうるコンテンツだと今でも信じています。

 1ゲームファンとして、そう思います。

ほな、また。

「※注
【かませ犬(かませいぬ)】

 やられ役。アンダードッグ(Underdog)。盛り上げ役。引き立て役。の事」




バナナ

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