ジゼルレーヌの旅日誌

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[ろくに話も聞かないで]


何もかもが目新しいこの世界では、進む一歩に其々の、ストーリーが見つかります。
道草ばかりがもりもりと、茂る私のイアル旅。


夜の散歩で見上げると、そこには木製の籠がありまして、乗れる重さは幾許かと、仲間と籠を見比べてみるのでした。

怖々と、手に手を取っていくだろうか。
爛々と、目を輝かせ、ゆくだろうか。
ゆらゆらと、遊ぶ子達はご遠慮しましょ。

もしかしたらと思い直し。
載せていくのは人でなく。

明日の暮らしに使うため、誰かの頼みの品だろうか。
お腹空かせた彼のため、美味しいご飯の友だろうか。
元気でいるよと伝うため、文がきたならドキドキしましょ。

さても明けゆく夜があれば、続きは夢で、話してね。


月の明かりが運ぶのは、光と闇と、ちょっとした嘘。


ジゼルレーヌ

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