タンゴマの旅日誌

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キャラスト今昔物語 番外編「そして伝説へ」


今昔物語番外編ゲイングランドシリーズも今回で最終回。
元々キャラストのバグ(?)について書こうと思っていたのですがゲイングランドに思い入れが強すぎて書いてるうちに本来の目的を忘れそうになってしまってるので先に書いておきます←


このシリーズの前に今月の一角獣の塔についての日誌を書いたのですが、その中でパーティーにオーリュウを編成した事に触れました。

実はこのオーリュウ自身は不利属性の影響を受けるのですが、召喚したドラゴンは不利属性の影響を受けないのです。

なのでケツァルコァトルを召喚した場合、シカに倒される事もなくユニット本来の性能を発揮してけっこうなダメージを与えられます。

なのでオーリュウは一角獣の塔で最強ユニットになり得ますね。

これをバグとして見るかどうかは運営の判断次第なのですが、もし修正されたりしたらせっかく育てたオーリュウの出番が本当になくなってしまう。

という事で書くのを悩みましたがギルドの皆さんにも相談した結果、「もともとヒーラーの耐性なんかも召喚ユニットには適用されなかったりするし仕様でええんちゃう?」という事で書くことにしました。

一角獣の塔で躓いてる方はオーリュウを試してみよう!


というわけでバグなのか仕様なのかという伝説を産んだゲーム、ゲイングランドの話です。




まずゲイングランドのストーリーとシステムについて簡単におさらい。

仮想戦闘空間ゲイングランド。そのシステムが暴走した。中に閉じ込められてしまった人々を救出するため、プレイヤーは最後の救助者としてゲーム内に身を挺して乗り込む。

これはプレイヤーの状況とリアルにマッチしており、アーケードゲームなのでセーブややり直しの効かない真剣勝負だったこともあり100円入れてスタートボタンを押す瞬間はテンションMAXになる秀逸なストーリーでした。

システムは敵を殲滅させるか味方を全員脱出させればステージクリア。
しかし制限時間がシビアなため全員脱出はほぼ不可能。時間切れになった場合は脱出成功したキャラのみで先に進む。

これもまたサバイバルをかけたデスゲームにぴったりの秀逸なシステムですね。


当時のゲームとしてもかなりの高難易度を誇ったゲイングランド。

当時アーケードゲームを扱った「ゲーメスト」という雑誌があり、全国のゲームセンターからハイスコアとそのプレイヤーを集計してランキングを載せるというシステムがありました。

そこでランキング上位に常に名を連ねる有名プレイヤーなども存在し、読者はそのスコアとクリア状況を知る事ができたのです。

高難易度を誇るゲームにクリア者が出た時などは「〇〇県の○○で○○氏が○○のクリアに成功」と記事になるほどでした。

ゲイングランドもその例に漏れず武芸者のような全国各地のゲーセンのトッププレイヤー達がクリア目指して腕を競っていきました。

そして全40ステージのうち38ステージ目。ステージ4-8でそのバグが発見されます。

このステージはマップに4台のカニ型ロボットが配置されており、それを倒して先に進むと更に4台のレーザー砲台が現れるというステージでした。

本来ならこの砲台を全て倒してクリアとなるのですが、バグによって敵を殲滅してもクリアとはならなかったのです。

残り2ステージという天王山での致命的なバグ。
ここまで到達したプレイヤーにもクリアを見守っていたギャラリーにも多大な衝撃が走りました。



アーケードゲームは、筐体内の基盤にROMカセットなどのソフトをセットしてゲームを入れ替える仕組みになっています。
バグを修正したバージョンに入れ替えるためにはソフトごと入れ替えなければならず、コストも手間もかかります。
今のようにネット経由でアップデートやダウンロードが出来るわけではなかったのです。

また、ROMカセットというものは生産コストが高く、初回生産分のロットが終了したらモンスター級のヒットでもしない限りなかなか第二ロット以降は生産されませんでした。
皆が飽きてインカムが落ちてきたらさっさと次のゲームに入れ替えた方が良いからですね。

なので大抵のゲームはバグが発見されてもそのまま放置。メーカー側は「ごめんごめん。お詫びに他のゲームと交換するか次回作安くしとくわ」という対応で済ませていました。
(現在でもパチンコメーカーはリコール台が発生するとこの手法を取ったりしています)

幸いというかなんというか、ゲイングランドは当時珍しいフロッピー媒体でコストも比較的安価だったこともあり、少数ですが修正バージョンも作られました。

しかしそもそもこのステージに到達したプレイヤー達はゲーセンを己が根城とする歴戦の猛者たち。

「これこそがゲイングランドシステムの非情なる暴走である。我々はこの挑戦を受ける!」と言わんばかりにバグ込みでの攻略に挑んだのです。

敵を殲滅してのクリアが不可能な以上、残る2ステージの攻略に必要なキャラだけを残してあとは全滅させるしかない。

こうしてここが死地と定めたキャラで脱出経路を切り開き、残り時間いっぱいまで必要なキャラだけを脱出させて残ったキャラは全滅させるというプレイが行われました。

この悲劇的なドラマはここまで到達出来なかったプレイヤーの胸をも熱くさせました。

これがゲーム史に残る伝説のバグ、「ゲイングランド4-8バグ」です。

システム上致命的なバグでありながらもゲーム性やストーリー、そしてプレイヤーの意気に奇跡的にマッチした結果、ゲイングランドはバグ込みで伝説のゲームとなったのです。


さらにその後のラストステージ攻略にもちょっとしたドラマがありました。

最終面は巨大なラスボスとの一騎打ち(ではないけど)になるのですが、耐久力が50ポイントある敵相手への僅かなキャラでの死闘には歴戦の猛者たちも苦戦を強いられていました。

しかしある攻略法が発見されるのです。


中世系のキャラクターにザエモンというキャラが居ます。

鎧武者の姿をしており、風の魔法を使うユニットです。

この魔法は大きく弧を描いて飛び、敵に当たると跳ね返ってまた弧を描いて飛びます。

銃弾と違って敵に当たっても魔法が消滅せず効果時間いっぱいまで敵にダメージを与えられるという点では優秀なのですが、いかんせん狙って敵に当てることは難しく「当たればラッキー」くらいの有り体に言えば特攻要員としての使い道しかありませんでした。

しかしこのザエモンの魔法を上手くラスボスに当てると、ラスボスの両脚の間で魔法が跳ね返り続けてボスに大ダメージを与える事が出来たのです。

この攻略法が発見されたときは大騒ぎになりました。

その効果の程も勿論ですが、むしろプレイヤーの驚きは「一体何を考えて最終面にザエモンを連れて行ったんだ」という点に向けられていました。

1人のプレイヤーの発想による思いもよらない攻略。キャラストのロッコマンモスに通じるものがあるなぁと個人的に思います。これこそがゲームの醍醐味ですよね^ ^


そしてとうとう完全クリアを果たし、ゲイングランドのエンディングが明らかになりました。

とは言え昔のゲームなので今のゲームのように1時間ムービーが流れるといったようなありがた迷惑豪華なエンディングなどではなく、一枚のグラフィックの下に数行のメッセージが流れるだけの簡素なものでした(その後のスタッフロールで数点のフラッシュアニメーションもありますが)。

しかしその数行のメッセージの類い稀なるセンスによって、これもまたゲーム史に残る名エンディングとして皆の記憶に残ることとなるのです。

今ではYouTubeで全クリアプレイ動画も観られますので、興味のある方は最後の2分だけでもご覧になってみてください。21世紀バンザイ。


ストーリー、システム、ゲーム性、そしてバグによって伝説になったゲイングランド。
ゲーム史に残る不朽の名作です。


かつてはハードの制約上家庭用ゲーム機への再現が難しかったのか画面が狭かったり要らないオリジナル要素が足されていたりと完全な移植版は存在しなかったのですが、2018年12月からNINTENDO Switchのセガエイジスシリーズでアーケード版の完全移植を謳った移植版が配信されています。
あの伝説のバグも再現!税込み999円とお得!配信停止前に急げ!←



思い入れが強すぎて大作になってしまいましたがこれにてキャラスト今昔物語ゲイングランド編は完結です。
ご愛読ありがとらのこいました。




タンゴマ

コメント

1

老舗人

害人二十面相♡

ID: ryn6xmb2nczx

(๑´ω`ノノ゙ぱちぱちぱち✧

2

ビギナー

〓ふぅか〓

ID: i46vdg68vvh2

全然知らないゲームの話なのに
ついつい読んでしまうww
バグに立ち向かう猛者たちにムネアツヽ(´▽`)/

がんばれイアルの勇者たち!(お、

この発言は削除されました(2022/02/02 02:00) 3

4

イアルのブロガー

ナポリ

ID: v8ikkh8x6a4s

はぁ~♪(*´Д`)
気になり過ぎて評価記事やフル攻略YouTubeみてきました笑
高低差や利き手などの要素も盛り込まれていたのですね~すごいゲームでした。
今後は僕も、さも元から知っていたかのように話してしまいそうです笑
最初のステージの音楽が好きでした(*´ω`*)

「一体何を考えて最終面にザエモンを連れて行ったんだ」は胸アツでしたw
そして他の魔法使いは○○ナイトなのになぜザエモンはザエモンなんだww
全てに理由がある気がしてしまってなりませんw

さらにやってくれましたね!タンゴマさん!!
この文章自体にもまさかのエンディングギミックが詰め込まれていたとは!
さすがです!!

タンゴマさんのまた¥=<出をお待「い{□!おります。

5

圧倒的支持率

Sinoa

ID: pxppcbeath6n

ありがとらのこいました。

6

イアルの冒険者

大熊猫@

ID: q8q6ukkm6azu

うおーー(。>﹏<。)
ffに続くカンドーをありがとー☆
ゆづ様がエセ関西人にされてるけど(゚m゚*)プッ
勇者ああああとかに出れるよゴマさん!!