~これまでのあらすじ~
いよいよオーク兵がパカマ神殿付近に上陸を開始した。その数300。
対するゲッシーの精鋭部隊モ・フリタスの数は30。
いずれも選び抜かれた最強の兵士達ではあるものの、モ・フリタスの劣勢は明らかだった。
彼らを率いるミグノノ将軍には、何か秘策があるのだろうか?
Cross Story (偽)
ロロタタ「ミグノノ!どうするの?オークはすごい数よ!あんな数でナルポポ村を攻められたらひとたまりもないわよ!」
ミグノノ「そうだねえ。とりあえずパカマ神殿に隠れて、様子を見よう。」
ゲッシー兵D「いいじゃない。」
それからモ・フリタスは全員でパカマ神殿の中に隠れた。
神殿の中には、何かが発酵したような甘酸っぱい匂いが立ち込めていたが、みんな緊張していたので、たいして気にとめなかった。
ゲッシー兵D「ミグノノ!見て!神殿の中で何か動いてるわ!」
ミグノノ「何だろう?...うわっ!あれはグソクムシの大群じゃないか!お供えのポムムの実が腐って発酵してるんだよ!それでグソクムシが沸いたんだ!」
ゲッシー兵D「急いで逃げないと!グソクムシに噛まれたら、体中痒くなっちゃうわよ!」
ゲッシー兵C「しかし、浜にはオークのやつらがいますぜ。」
ミグノノ「何言ってるんだよ!グソクムシとオークと、どっちがおっかないんだよ!...うわああああああああ!グソクムシに気づかれた!襲ってくるよ!」
ゲッシー兵D「みんな!浜まで走って!もし噛まれたら、急いで海で傷口を洗って!」
ミグノノ「うわあああああああああ!!!大群が迫って来るよ!!」
その頃、浜ではオーク達が上陸を完了させて、野営陣地をつくっていた。
オーク兵A「隊長!ゲッシーどもが何か叫びながらこっちに突っ込んできますぜ!」
オーク隊長「何だと?!弓兵!矢を放て!やつらを近づけるな!」
オーク弓兵「だめだ!撃っても撃っても、やつら止まりませんぜ!矢が当たってるのにかまわず突っ込んでくる。」
オーク隊長「ゲッシーどもめ!何て戦法だ!俺たちオークでもあんな戦い方はしないぞ!あれではまるで、ゲッシー・ゾンビではないか。」
オーク兵A「隊長!やつらの後ろを見てくれ!奴ら、何かを引き連れて突っ込んできますぜ!」
オーク隊長「何?!...あれはグソクムシだ!グソクムシの大群だ!やつら、あの大群を我々にぶちかますつもりだ!」
オーク兵A「じょ、冗談じゃねえぜ!...やつら頭がおかしいのか?!」
オーク隊長「野郎ども!急いで船に戻れ!すぐに撤退するぞ!どうやらここは我々が踏み込んではいけない領域だったらしい。」
オーク達は、悲鳴を上げながら船に飛び乗ると、一目散に逃げ出した。
ゲッシーたちは、オークのことなどまるで気にかけず、海に飛び込んでグソクムシに噛まれた傷口を洗いはじめた。もはや誰も、オークのことなど覚えてはいなかった。
ロロタタ「噛まれた人は一列に並んでね。傷口に薬を塗るから。」
ゲッシー兵D「ミグノノ?ミグノノはどうしたの?ここには居ないみたいだけど。」
ママミミ「...それが、私たち逃げ遅れて。それで将軍がかばってくれて。」
ムムメメ「将軍はグゾクムシの大群に飲み込まれちゃったわ。」
ロロタタ「まあ!何てこと!」
ゲッシー兵Dとロロタタたちは、神殿に戻ってミグノノの姿を探した。
ミグノノはすぐに見つかったが、グソクムシに噛まれすぎて既に虫の息だった。
ミグノノ「...ひゃあ、ひみはひがふひへ、ひょかったひょ。(いやあ、君たちが無事で、よかったよ。)」
ロロタタ「ミグノノ!ミグノノ!...しっかりして!」
ミグノノは遠ざかる意識の中で、ソフィアの姿を見たような気がした。
彼女は相変わらず、怒り狂い、ミグノノを叱りつけていた。
ソフィア「ミグノノ!しっかりしろ!まだ死ぬな!こんなことぐらいで死ぬな!」
ソフィアさんは何で泣いているんだろう?そんなことを考えながらミグノノは意識を失った。
マルポポの病院でミグノノが目を覚ましたのは、それから1週間後のことだった。
ロロタタと、タタリンと、ソフィアが心配そうに見つめていた。
ミグノノ「ええ?!何でソフィアさんがいるのさ???」
ソフィア「フッ。言っただろう?貴様は私から逃げることはできんぞ。さあ!ぐずぐずするな!ヴァルメルに戻るぞ。貴様は我が王なのだからな!」
ミグノノ「そんなあ?!えええええええええ??!!」
(つづく?)
写真:お付き合い頂きありがとうございました!ミグノノ達の戦いはまだまだ続きます(?)
コメント
1
ノラ
ID: tyebhixcmvry
モモモモが居ない(/。\)
討滅、パテありがとうございました(°▽°)
2
島津豊久
ID: weubkgqkmtdq
こちらこそありがとうございました!
またネタを考えたら続編とかもやってみたいなあと思っています。
3
ヒナドリ
ID: 2fve8p9mc5mi
おつかれさまでした。
とても楽しく読みました。
ミグノノが引き立つのは、もちろんですが、地味にソフィアも好印象な役回りで、気持ちよく読めました。
イアルの世界、エニグマ以上に、種属間の差別が大きな悲劇を繰り返し引き起こしている最中で、種属を超えた友情は、勇気をあたえてくれました。
また、楽しみにしています。
4
島津豊久
ID: weubkgqkmtdq
ありがとうございました。
...しばらく小ネタに戻りますが、また思いついたら冒険ものを書いてみたいと思っています。(主にゲッシーの)