~これまでのあらすじ~
ナルポポ村に帰還したミグノノは、ポムム農夫の生活に戻った。
だが、時代の荒波は彼に安寧の時を与えなかった。
パカマ神殿沖に突如現れたオーク軍の大型揚陸船。
マルポポ政府は、新生モ・フリタスの精鋭兵士30名を、ミグノノ将軍の元に派遣した。
今、精鋭部隊モ・フリタスの最後の戦いが静かにはじまろうとしている。
Cross Story (偽)
ミグノノ「...いや、ボクはもう将軍は引退してるんだけど。戦楽隊の人に来てもらえばいいじゃないですか。」
ゲッシー兵A「それが、戦楽隊は運動会の合奏練習とかで忙しいらしいんですよ。」
ミグノノ「あいからず呑気な人たちだなあ。...ロロタタ、集まった兵士の名簿を見せてよ。」
ロロタタ「はい。これよ。」
ミグノノ「えーっと、...郵便配達、飲み屋の女将、漁師、ご隠居、鉱夫、コソ泥、猫好き。...あのう、何これ?」
ロロタタ「だから、招集された兵士の名簿よ。」
ミグノノ「...ふう。この中で戦いの経験がある人はいますか?」
一人の兵士がひどく震えながら手を挙げた。
ゲッシー兵B「わしゃ、若いころは戦楽隊じゃってな。ずっと補欠じゃったんじゃが。ほれ、あのノーファス何とかいうやつも、わしの戦友じゃってな。よく一緒に太鼓を叩いたもんじゃってな。」
おじいちゃんは、兵士の誰かに抱えられて、どこかへ連れていかれた。
ミグノノは頭を抱えこんだ。
ミグノノ「じゃあ、この”聖騎兵隊”の3人ってのはどなたですか?」
ママミミ「それは、あたしたち3姉妹よ。」
ミグノノ「うわっ!こんなちっちゃい子まで招集されたんだ!」
ムムメメ「失礼ね。あたしたちは自ら志願してここに来たのよ。聖騎兵隊にはね、民を守るために戦う義務があるのよ。」
モモモモ「あるのよ!」
ミグノノ「やれやれ。もうわかったよ。...それで君たちはどうして背中にシバイヌをしょってるんだい?」
ママミミ「まあ!あなたは将軍なのに何にも知らないのね。いいこと?聖騎兵隊っていうのはね、ビーストを背中にしょって戦う戦士のことを言うのよ。この本に書いてあるわ。」
ミグノノ「...いや、それたぶん間違ってるよ。ビーストの背中にまたがって戦う、じゃないかな。」
ムムメメ「...まあ、そうだったのね。あたしたち、難しい字は読めないのよ。」
ミグノノは頭を抱えこんだ。
ミグノノは他にも、魔法が使える人とか、ヒーラーの人が居ないか聞いてみたが、誰も手をあげなかった。
ミグノノは頭を抱えこんだ。
猫好き兵「あのう。僕は、名簿の"猫好き"ですけど、マルポポから来るときに、戦楽隊の人に武器を持っていくように言われて運んできました。どれも最新最強の武器らしいですよ!」
ミグノノ「どれどれ。えーっと、...酒樽、ビールジョッキ、ヤットコばさみ、リボン、太鼓のバチ、傘、ガラガラ...もういいよ。これはそっちに片づけておいて。」
ミグノノは頭を抱えこんだ。
猫好き兵「それでは、われわれの武器はどういたしましょうか?将軍。」
ミグノノ「そうだねえ。それじゃあ、みんなで畑からポムムの枝をありったけ集めてきてよ。」
ゲッシー兵C「おっ!キャンプファイヤーですかい、将軍!いいですなあ。」
ミグノノ「いやいや、ポムムの枝で、ヤリやこん棒を作るんだよ。ほらほら、急いだ急いだ。」
兵士たちはポムムの畑に走っていった。
ミグノノは頭を抱えて座り込んだ。
ミグノノ「...こんなんで、ボクにどうしろって言うんだよ!」
その時、海のほうから見張りの兵士が走ってきた。
ゲッシー兵D「ミグノノ!いよいよオークが上陸してくるみたいよ。パカマ神殿の前の浜よ!」
ロロタタ「ミグノノ!これからどうするの?みんな、あなただけが頼りなのよ!」
ミグノノ「...ボクはもう逃げ出したい気分だよ。」
ミグノノは頭を抱えこんだ。
新生モ・フリタスに試練の時がせまる。ミグノノは、彼らを率いてオークを追い払い、ナルポポ村の平和を守ることができるのだろうか?
(つづく)
写真:オーク軍の上陸を偵察するゲッシー兵D(誰かに似ているような気がする)。
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