島津豊久の旅日誌

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Episode 21「パカマ神殿の戦い~精鋭部隊モ・フリタス戦記8(偽)~」

~これまでのあらすじ~

ナルポポ村に帰還したミグノノは、ポムム農夫の生活に戻った。
だが、時代の荒波は彼に安寧の時を与えなかった。
パカマ神殿沖に突如現れたオーク軍の大型揚陸船。
マルポポ政府は、新生モ・フリタスの精鋭兵士30名を、ミグノノ将軍の元に派遣した。
今、精鋭部隊モ・フリタスの最後の戦いが静かにはじまろうとしている。

Cross Story (偽)

ミグノノ「...いや、ボクはもう将軍は引退してるんだけど。戦楽隊の人に来てもらえばいいじゃないですか。」

ゲッシー兵A「それが、戦楽隊は運動会の合奏練習とかで忙しいらしいんですよ。」

ミグノノ「あいからず呑気な人たちだなあ。...ロロタタ、集まった兵士の名簿を見せてよ。」

ロロタタ「はい。これよ。」

ミグノノ「えーっと、...郵便配達、飲み屋の女将、漁師、ご隠居、鉱夫、コソ泥、猫好き。...あのう、何これ?」

ロロタタ「だから、招集された兵士の名簿よ。」

ミグノノ「...ふう。この中で戦いの経験がある人はいますか?」

一人の兵士がひどく震えながら手を挙げた。

ゲッシー兵B「わしゃ、若いころは戦楽隊じゃってな。ずっと補欠じゃったんじゃが。ほれ、あのノーファス何とかいうやつも、わしの戦友じゃってな。よく一緒に太鼓を叩いたもんじゃってな。」

おじいちゃんは、兵士の誰かに抱えられて、どこかへ連れていかれた。
ミグノノは頭を抱えこんだ。

ミグノノ「じゃあ、この”聖騎兵隊”の3人ってのはどなたですか?」

ママミミ「それは、あたしたち3姉妹よ。」

ミグノノ「うわっ!こんなちっちゃい子まで招集されたんだ!」

ムムメメ「失礼ね。あたしたちは自ら志願してここに来たのよ。聖騎兵隊にはね、民を守るために戦う義務があるのよ。」

モモモモ「あるのよ!」

ミグノノ「やれやれ。もうわかったよ。...それで君たちはどうして背中にシバイヌをしょってるんだい?」

ママミミ「まあ!あなたは将軍なのに何にも知らないのね。いいこと?聖騎兵隊っていうのはね、ビーストを背中にしょって戦う戦士のことを言うのよ。この本に書いてあるわ。」

ミグノノ「...いや、それたぶん間違ってるよ。ビーストの背中にまたがって戦う、じゃないかな。」

ムムメメ「...まあ、そうだったのね。あたしたち、難しい字は読めないのよ。」

ミグノノは頭を抱えこんだ。
ミグノノは他にも、魔法が使える人とか、ヒーラーの人が居ないか聞いてみたが、誰も手をあげなかった。
ミグノノは頭を抱えこんだ。

猫好き兵「あのう。僕は、名簿の"猫好き"ですけど、マルポポから来るときに、戦楽隊の人に武器を持っていくように言われて運んできました。どれも最新最強の武器らしいですよ!」

ミグノノ「どれどれ。えーっと、...酒樽、ビールジョッキ、ヤットコばさみ、リボン、太鼓のバチ、傘、ガラガラ...もういいよ。これはそっちに片づけておいて。」

ミグノノは頭を抱えこんだ。

猫好き兵「それでは、われわれの武器はどういたしましょうか?将軍。」

ミグノノ「そうだねえ。それじゃあ、みんなで畑からポムムの枝をありったけ集めてきてよ。」

ゲッシー兵C「おっ!キャンプファイヤーですかい、将軍!いいですなあ。」

ミグノノ「いやいや、ポムムの枝で、ヤリやこん棒を作るんだよ。ほらほら、急いだ急いだ。」

兵士たちはポムムの畑に走っていった。
ミグノノは頭を抱えて座り込んだ。

ミグノノ「...こんなんで、ボクにどうしろって言うんだよ!」

その時、海のほうから見張りの兵士が走ってきた。

ゲッシー兵D「ミグノノ!いよいよオークが上陸してくるみたいよ。パカマ神殿の前の浜よ!」

ロロタタ「ミグノノ!これからどうするの?みんな、あなただけが頼りなのよ!」

ミグノノ「...ボクはもう逃げ出したい気分だよ。」

ミグノノは頭を抱えこんだ。

新生モ・フリタスに試練の時がせまる。ミグノノは、彼らを率いてオークを追い払い、ナルポポ村の平和を守ることができるのだろうか?

(つづく)

写真:オーク軍の上陸を偵察するゲッシー兵D(誰かに似ているような気がする)。

島津豊久

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