タンゴマの旅日誌

公開

キャラスト今昔物語 番外編「最後の黙示録」


ニイ島イベントを控えての一週間限定のスイカ割りイベント。
とは言えマップもビーストも使い回しでクエストは素材拾いのみという娯楽性のカケラもないシロモノ。
何より酷いのはフィールドに居る敵ビーストの編成。
メインの敵の遥か後方にトゥローダなどのやたらめったら固いお供ビーストが配置されています。
ヴィンガ入れててもまとめられずに無駄に時間がかかる。
1番経験値の多いウミイグアナを狩ろうとしたら655でレベル35前後のキャラ揃えても1分前後かかります。

ハッキリ言ってめちゃくちゃ効率が悪い。
せっかくアニマ沢山貰って限凸したのに育てる気が失せまくりです。

トゥローダ以外にもヘラクレスカブトのお供に正反対の属性のカクレクマノミが配置されていたり、「ぜってえ楽にレベル上げさせてやらねぇかんな!」という運営の嫌がらせとしか思えません。

と思ってふと頭に浮かんだレトロゲーム。
今回はそのゲームのお話です。


時は1988年。前回ネタにしたゲイングランドと同じ年に発売されたPCゲーム「ラストハルマゲドン」。

「人類が何故滅びたのか、今となっては、もう知る術もない。
この星は完全に死に絶えた。地表で息づくものは、その姿を土に変え、大地の一部となり溶けていった。
ただ、荒廃した地表が限りなく続くこの景色を幸いにも目にとめる者はいない。
今・・・1つの歴史が幕を閉じたのである。
しかし、星はその力の偉大さを誇示するかのように、地の奥底に眠る生命体を呼び覚ました。
新しき歴史を生み出すがために・・・
「この地が、我らに帰ってきたのだ。」
魔族の台頭である。
星は新しき世界の幕開けに、異形の衆を呼び覚ました。
この大地で生きていけるもの達を。
『美しい大地だ。』
『我々魔族以外は全て滅んだようだな。』
『うむ、いよいよ魔族の時代がおとずれたのだ。さっそく魔界に帰り、報告するとしようか。』
『かはっ』
『何者だ!!ぐぼぉっ!』
二つの生命ある者が一瞬にして消えた。
星は、魔族の存在を認めなかったのだろうか。
いや、今出現し、この殺戮を行った新たなる異形の者に、
星さえも驚いたことだろう。彼は天より降りてきた。
星が地底より魔族を呼び覚ましたのと同じく、
天空は彼方より何者かを呼びよせたのであろうか。
『この・・・ことを・・・魔界に・・・報告せ・・・ねば・・・』
倒れているスケルトンの口から一つの目玉がこぼれ落ちた。
瞬間、その目を足にはさみ込み、天空へと飛び立つ者がいた。
『スケルトンよ。お前の意志、しかと受け継いだ。』
新しい歴史は壮大なる本当のハルマゲドンで幕を開けた・・・」(wikiより引用)

上記のようなオープニングで幕を開けるこのゲーム。
永らく魔界に閉じ込められていた12の魔族はこの星の支配者となるべく人類が死に絶えた地上への進出を決意するが、時を同じくして天空からのエイリアンが地上への侵略を開始。

エイリアンを撃退しこの星の支配者になろうと奮い立つ彼らに108の黙示録と呼ばれる石板の存在が示される。
真の支配者となるためには人類がなぜ滅亡したのかを知る必要があり、黙示録を全て集める事で「戻らずの塔」と呼ばれる場所に辿り着くことが出来、そこで彼らは真の支配者となれるという…

しかし彼らには昼間しか活動出来ないもの、夜しか活動出来ないもの、またサルバンの破砕日と呼ばれる呪われた日にはごく一部の魔族しか活動できないなどの制限があった。

そこで各種族はお互いの欠点を補う為にそれぞれの最も優れた戦士を代表とし、合計12名の精鋭による地上への旅を断行した。

かつて繁栄の頂点を極めたはずの人類が何故滅んだのか。
何故あまりにもタイミングよくエイリアンの侵略が開始されたのか。
サルバンの破砕日とは何なのか。
全ての謎を解き明かすべく、またこの星の真の支配者となるべく、黙示録の石板に導かれるように彼らの旅が始まる…


コンシューマではファミコンでドラクエ3やファイナルファンタジー2が発売された頃。
スーパーファミコンも未だ出ておらず、次世代のゲームメディアとして注目されたディスクシステムにも翳りが見え、PCエンジンがCD-ROMを武器にファミコンから覇権を奪い取ろうとしていた時期でもあります。

ゲーム自体が文化としてまだ成熟していなかった時代であり、このシリーズでも触れたことのあるロードス島戦記が大人気だったように王道ファンタジーが文字通り王道だった時代。

そんな時代にモンスターが主役(しかもえげつなくグロい)という度肝を抜く設定のゲーム。
そして当時はまだ世紀末。
ノストラダムスの大予言などの終末思想が皆の意識のどこかに巣食っていたこともあり、設定やストーリーには強烈に惹きつけるものがありました。

どうです?面白そうでしょう?やってみたくなってきませんか?

しかしこのゲーム、今となってはどう贔屓目に見てもクソゲーだったのです。



例えばパーティーは基本的に4人(4体)編成なのですが、昼、夜、サルバンの破砕日に分けて自動的に3つのパーティーに分けられる事となります。

しかしサルバンの破砕日はゲーム時間内のひと月に一回しかない為、どうしてもサルバンパーティーの育成は圧倒的に遅くなります。

また経験値やレベルアップは総合的に上がるわけではなく、攻撃、防御、魔法などの各行動ごとにレベルが設定されており、特定の行動を繰り返す事でそれに対応したレベルが上がっていきます。

しかしキャラクターが最初に所持している魔法が戦闘からの離脱だったりして、魔法を使うと戦闘が終わってしまうため魔法のレベルが一向に上げられないというキャラクターも居ました。

その他にも最強装備が序盤で作れてしまったり、石化魔法が最強過ぎてそれだけで無双出来てしまったり、キャラの強さに偏りがあり過ぎて昼/夜でパーティーがチェンジした瞬間雑魚に歯が立たない弱さになってしまうなどシステム上の欠陥が数えきれないほどありました。


ちなみにこのゲームはメインクリエーターの飯島建男氏が発売後間もなく制作会社を脱退、その後クリエーターを失った会社自体が解散してしまったため権利の所在が無くなってしまい、再発売やリメイクは絶望的と言われています。

なので今更プレイする人も居ないと思うのでゲームを進行させたストーリーの続きを要約。



108の石板に書かれた黙示録。
そこには彼ら魔族について書かれたものや、人類の業や愚かさについて書かれたものなど、誰が何のために作ったかは謎ながらも彼らを導こうとしているかのような意思が感じられた。

そうして108の石板を集め、辿り着いた戻らずの塔。

彼らがそこに入ると、そこは人類の歴史の真実が明かされる博物館であった。

聖書におけるノアの大洪水は本当に起こった事であり、人類はそのノアの子孫だった。
しかしノアは聖人などではなく、来るべき破滅を知りながら自分の命を守るため人々にそれをひた隠し、まんまと自らとその家族のみを生き延びさせた私欲の塊だったのだ。

その血を引いた人類が辿った歴史を語るはマリーアントワネットやヒムラーなどの歴史上の人物。
そして起こったのはノストラダムスが予言した破滅。
人類を破滅させたのは戦争でも疫病でもなく彼ら魔族であるとの記録を最後に塔は終わる。

人類の歴史と自らの歴史の齟齬に混乱する魔族は塔の最上階に辿り着く。
その扉の先にあったのは生きとし生けるもの全てが死に絶えた大地。
実はこれまで魔族が地上だと思っていた世界はまだ地下世界であり、戻らずの塔はこの星の地表に出る為のエレベーターだったのだ。

その事実に愕然とする魔族の前に光が顕れ、魔族が人類を滅ぼしたのではないと告げる。
その光に導かれるように魔族たちはある建物を見つける。

そこは「石板製作所」と呼ばれる建物であり、人類が滅亡した今も自動的に石板を作り続けていた。
そしてサルバンの破砕日とは、その石板が作られる際に起きる大気異常が星を覆う日だったのだ。

そして魔族の目の前で新たに作られた石板にはこう示されていた。

「この地にわずかなる人間達が生存するファンタジー・ランドあり。この聖域にははるか昔に忘れさりし人間の心持つ者でなければ入ることを禁ず。ファンタジー・ランドは永遠なり。--新黙示録1章--」

全てが人間たちに仕組まれているような不気味さを感じつつも、魔族たちはファンタジーランドを目指す…


序盤のキーアイテムとなる黙示録の石板にはゲームのヒントを暗示する文章が書かれていたり、思わせぶりなそれっぽい言葉が書かれているだけだったりしますが、途中で力尽きたのか「スケルトンは道具を作れる」みたいな直截なものがあったりと随所に作りの甘さが見受けられます。

マップに一切石板の場所が表示されなかったり、見落として先に進んだ場合リカバリーが不可能になったりと実はこの石板探しがゲームの1番の問題点であり、ゲームバランスを崩壊させた張本人だったりします。

アイデアは良かったもののそれに拘るあまり全体の崩壊を招いてしまったというのはクリエーターが陥りがちな失敗ですね。


そんなわけでゲームとしては紛う事なきクソゲーだったラストハルマゲドン。
それでもこのゲームが今でも語り草になるほどのユーザーの支持を受けたのは欠点を補って余りあるストーリーの面白さとオンリーワンの独創性があったこと。
そして当時は「ゲームとは苦痛と引き換えに達成感を得るもの」という今では考えられないコンセンサスがあった事だと思います。


つってもそんなの昔の話なんだよ運営さん!
育成コストが高すぎるのいい加減なんとかしろや!
四六時中ゲームやってられる廃人ばっかじゃねえんだよ!

というわけで今週のイベントはもうやる気出ません^ ^
デジタルデトックスだと考えて今週は放置プレイ!
おかげでこんな長い日誌書けたぜイエッフー!




ぜんぜんデトックスになってないやん_(:3 」∠)_

あ、ラストハルマゲドンのお話はまだ続きがあって、オチはゲームのタイトルに相応しいSF魂に溢れたものでありました。
そこまで書くと一万字超えるので、興味のある人は「ラストハルマゲドン ネタバレ」で検索してみよう!


タンゴマ

コメント

1

イアルのブロガー

ナポリ

ID: v8ikkh8x6a4s

最後悪い顔が出てますよ!笑

この発言は削除されました(2021/09/09 03:00) 2

3

圧倒的支持率

タンゴマ

ID: n9tkjvq6hd3s

>> 1
ナポリさんはもう検索し終わったあとだと信じています( ^ω^ )

4

圧倒的支持率

タンゴマ

ID: n9tkjvq6hd3s

>> 2
ストーリーは面白かったんですよ本当に。
これでゲームシステムが良く出来てれば不朽の名作になったはずなんですけどねぇ。そう考えるとプログラマなどの優秀な仲間に恵まれなかったことが退社→解散の原因だったのかもしれません。
今は昔のことなれば…

この発言は削除されました(2021/09/09 03:00) 5

6

イアルの冒険者

大熊猫@

ID: q8q6ukkm6azu

イエッフー٩*(゚∀。)و←こんな顔?
アニメにもなりそうなすごい興味そそられるストーリーと設定なのに
システムって大事ですね。。
キャラストもまさにそれだょっっ
もったいないんだょっっ

昔ってすごい面白そうなのにプレイするとクソゲーっての
いっぱいありましたよね(゚m゚*)
でもちゃんと価格に比例してたようなw

7

圧倒的支持率

タンゴマ

ID: n9tkjvq6hd3s

>> 5
ゲーム業界も今では考えられないほど未成熟でユルい業界でしたからね。
その分新しいものを作ろうという気概やチャレンジ精神も今より旺盛だったと思います。
このゲームを作った飯島健男氏も当時若干22歳と知って驚愕しました。

8

圧倒的支持率

タンゴマ

ID: n9tkjvq6hd3s

>> 6
中古とかだとすぐ価格に反映されるけど定価は地雷だらけでしたよw

だから新品で買わずに評価を待って中古で買うという流れが出来た気がする。

今は体験版があったり基本無料でゲーム内課金みたいなシステムになってるから買いやすいといえば買いやすいですね。

課金制だと際限なくなっちゃうから昔みたいに買い切りの方がユーザーに優しい気もしますが、メーカー的には課金制の方がいいのかな~

この発言は削除されました(2021/09/09 03:00) 9