~これまでのあらすじ~
ゲッシーの精鋭部隊モ・フリタスの若き将軍ミグノノは、ヴァルメル王に即位した。
だが、ヴァルメルの混乱は続いていた。列強各国は続々とヴァルメル領土に軍勢を派遣し、宵闇の草原ではドワーフ軍とギュリアム軍が、デノン丘陵ではエルフ軍とオーク軍が、それぞれ鉢合わせて小規模な戦闘を繰り返し、膠着状態に陥った。
一方、マグマミアは未だ動かない。狡猾なランヴォルドは、各国の軍勢が消耗する時を見計らって、ヴァルメルに襲いかかろうとしているのだ。
王となったミグノノは、列強各国の脅威に立ち向かい、復興途上のヴァルメルを守ることができるのだろうか?
Cross Story (偽)
ソフィア「ミグノノ王、失礼致します。近衛隊長を拝命しましたソフィア、参上致しました。」
ミグノノ「はーい。開いてるよー。勝手に入って来てー。」
ツカツカツカツカツカ...ボカッ!
ミグノノ「痛っ!痛たた!急に何するのさ!」
ソフィア「貴様ー!よくもぬけぬけと!私が留守の間になぜ貴様が王になっている?!いったい何をした?!ウォルリック王の弟君がゲッシーのわけがあるかバカもの!私はだまされんぞ!」
ボカッ!
ミグノノ「ヒイ!お願いですからぶたないで!落ち着いて!落ち着いて!」
ロロタタ「そうよ、ソフィアさん。ミグノノだって好きで王様になったわけじゃないんだから。」
ソフィア「これはエレノア姫様。大変お見苦しいところをお見せしました。ご機嫌麗しゅう。」
ミグノノ「痛たた。…なんでロロタタとボクでこんなに扱いが違うんだよ。」
ソフィア「だまれ!この痴れ者が!叩っ斬るぞ!」
ボカッ!
ミグノノ「ヒイ!」
ロロタタ「ソフィアさん、ミグノノに何か用事があったんじゃないの?」
ソフィア「そうでした。…おい、悪党!貴様に話があってきたんだ。」
ミグノノ「な、なんですか?」
ソフィア「いいか、我ら黒角騎士団は、これよりマグマミアに侵攻する。」
ミグノノ「いやいや。この国の東と南で、エルフ、オーク、ドワーフ、ギュリアムの軍勢がにらみあってるのに、黒角騎士団が今ヴァルメルを離れちゃまずいんじゃ...。」
ソフィア「だからこそだ!今やつらはお互いに睨みあってて動けない。この隙にマグマミアを叩いて黒角騎士団が健在であることを見せつければ、諸国もヴァルメルから軍を引くだろう。それがラルフのたてた作戦だ。」
ミグノノ「モグモグ…なふほほ。はふがラルフさん。」
ソフィア「貴様アアア!お菓子を食べながら人の話を聞くなー!お菓子をこぼすなー!」
ボカッ!
ミグノノ「ごめんなさい。ごめんなさい。…それで、ボクはその命令書にサインすればいいんですね?」
ソフィア「はあ?!何を言っているんだ!貴様も王のはしくれだろう!我ら黒角騎士団の先頭にたって戦うんだ!ぐずぐずするな!さあ、行くぞ!出撃だ!」
ミグノノ「えええ?!」
ソフィア「フッ。安心しろ。貴様の最期は、この私が見届けてやろう。」
ミグノノ「い、いやだああああ!!!ロロタタ!助けて!ロロタタアアアア!」
ソフィア「ええい!往生際の悪い奴め。柱にしがみつくな!」
ボカッ!
こうしてミグノノ王は、精鋭部隊モ・フリタスと黒角騎士団の連合軍を率いてマグマミアに侵攻する決断を下した。
後に”ヴァルメルの雷光”と呼ばれることになるミグノノ王の覇道の旅が、今はじまったのである。
(つづく)
写真: 出撃前の黒角騎士団員に檄を飛ばすミグノノ=グロスカッド王。
「ヴァルメルに栄光あれ!」
コメント
1
ヒナドリ
ID: 2fve8p9mc5mi
どきどきしながら、読み進めました。
ソフィアとの、からみも、前回のエミリーとの、からみも、場面が想像出来て、よかったです。
続きが、とっても楽しみです。
2
島津豊久
ID: weubkgqkmtdq
ありがとうございますw
次回、ローモンド湖で黒角騎士団と赤牙騎士団が全面対決???(偽)