紅冬藍夏の旅日誌

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ぱんやずだいやりーでゅえる編 第一話


 むかしむかしでもない現代、あるストラスにわるいパン屋がおりました。わるいパン屋は物臭で我儘なので、好きなことしかしません。
 ある日わるいパン屋がログインすると、何やら騒がしい声が聞こえます。パン屋は耳を澄ませる事にしました。

「くそーうんこあほーちくしょー!」
「クソが!」
「いつかリベンジして晒しあげてやる」

 とっても和気藹々とした、楽しそうな雰囲気です。しばらく聞いていると、どうやら「でゅえる」という遊びをしているようです。わるいパン屋は考えました。わたしもあの輪にはいりたい。みんなのように楽しくて明るい気持ちをぶつけ合いたい。

 意を決したわるいパン屋は、こっそり対戦者募集中の看板を掲げます。ほどなくして対戦相手が現れますが

「wwww」

そうです。好きなことしかしてこなかったわるいパン屋では、弱すぎて草しか生えないのです。わるいパン屋は決心をしました。絶対に強くなって、最初に聞いた愉しげな輪に混ざるんだ、と。草ではなく小麦を生やすんだと。


 これはとあるパン屋が「でゅえる」で強くなるためにイアルを旅して回る、寝落ちとチケット消失の物語である。

~完~

※この物語はフィクションです。実際の個人・団体・事件等とは一切関係ありません。


紅冬藍夏

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