タンゴマの旅日誌

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キャラスト今昔物語 連載第3回「悲劇のヒーローとエルフの長い耳」


興が乗ってきたので連載第3回です。
2018年6月。マルマ、スコーラッド、そして梅雨イベントでユウリと属性バッファーが登場。しかし属性バフの説明が(今以上に)非常に分かりづらく、当時からどう使って良いのか戸惑うジョブでした。

ちなみに今の属性バフの説明は「敵に与える火属性ダメージが上昇する」などとなっていますが、当時は「火属性攻撃バフを与える」のみでした。これで何が伝わると思ってたのでしょうか。説明下手は頭が悪い証拠。

そして大型アップデートとしてエルフ領に北リファルファ地方が追加。
ラスベルに続いてカイネス、エルドバ、アルファロの3人が登場し、☆5ヒーローとしてルーファス将軍がデビュー。
この頃は☆5ヒーローと言えばギルガバとウォルリックくらいしか居なかったと記憶しています。(ガラッドも居たのを後になってから思い出しました)
またこの頃はシューターの数も少なく、みんながマルバスを使っていたという今では信じられない状況だったのでシューターとしての期待も高く鳴り物入りの登場でした。
少し遅れて初の元属性ヒーローであるリアルドも登場し、とにかく運営のエルフ推しが凄かった時期です。


〜ここから余談〜

エルフと言えば長い耳、というビジュアルイメージが定着していますが、これは第一回でも触れた「ロードス島戦記」に登場するエルフ「ディードリット」が原典です。


ロードス島戦記はグループSNEというゲームライター集団によるテーブルトークRPGのリプレイでしたが連載開始後その面白さと新鮮味からジワジワと人気が上がり、そのゲームのストーリーを元にした小説版が刊行されると大ヒット。オリジナルのテーブルトークRPGも発売されます。


そのストーリーは善と悪の対立があり、その裏でどちらも勝つことのないように暗躍し世界のバランスを保つ「混沌」が大ボスとして存在するというものでした。


今でこそベタとも言える手垢のつきまくったストーリーですが、これはマイクル・ムアコックのファンタジー小説群エターナルチャンピオンシリーズから着想を得たもので、当時の日本ではまだ知る人も少なかった概念です。


それまでの勧善懲悪しかなかったヒロイックファンタジーとは一線を画す深みのあるストーリーと余韻を残すラストは斬新かつ非常に面白いものでした。


それに加えて当時気鋭のクリエイターであった出渕裕氏(ダンバインやパトレイバーのデザインで有名)が担当したキャラクターデザインと挿画はシンプルながら非常に気品のあるもので、特に金髪ロングヘアーに切長の目と長い耳を持つエルフのヒロイン「ディードリット」は物凄い人気を博しました。


この作品以前のエルフの耳は山岸凉子氏の「妖精王」のように人間と同じか先が少し尖っているくらいの宇宙人的な描かれ方しかしていなかったので、日本におけるエルフのイメージはこのキャラクターによって形作られさらには海外にも逆輸入的に広まっていくこととなります。


そしてアニメ版の制作が発表されましたが、そのアニメはセルオンリーのOVAという大胆なものでした。


当時はまだDVDもなく映画やアニメは映画館やテレビで観る以外にはレンタルビデオ店で借りてきて観るのが当たり前でした。


今はTSUTAYAやゲオを除いて絶滅してしまいましたが、その頃は街に一軒くらいは個人経営の小さなレンタルビデオ店があり、皆そこでビデオを借りていました。


ちなみに当時のビデオというものは映画で14800円、短めのアニメ作品でも9800円とか平気でする高価な物で、個人的に買う人は余程の映画好きやお金持ちとかに限られていました。


個人には売れなくてもレンタル店が大量にあったので、そこが仕入れてくれれば数万本とかの売り上げが上がってペイできる仕組みだったのですね。


そんな時代にレンタル無しのセルオンリー。凄い冒険です。確か全6巻か7巻で1本6800円だったかな?


もちろんそんなものを買うお金が無いオタク少年も数多く、どうしても観たい連中が集まってバイトに精を出したり「俺は1巻買うからお前は2巻、お前は3巻買え」などと必死で鑑賞する手段を探していました。


そんな波紋を呼んだアニメ版の出来は出渕裕氏の気品ある元デザインとアニメ版のキャラデザを担当した結城信輝氏による絢爛な美しいデザインが融合し、アニメファンや業界人が腰を抜かすほどのハイクオリティ。OVA版「ジャイアントロボ」と並んで「セルアニメの最高峰」と今でも評価される作品でした。


今はアニメのクオリティは鰻上りに上がっていますが、当時のアニメのクオリティは今とは比べ物にならないくらい低かった。これより数年後の作品であるエヴァでもオリジナル版を観るとキャラの顔が崩れ気味だったり作画が微妙な回が多かった事からもそのあたりが推察できると思います。

ちなみにセルオンリーと謳ったこのアニメ版は後にしれっとレンタル版が発売され、大枚叩いて買ったファンから「詐欺だっ!」と大きな呪詛の声を受けることとなりました。

全巻購入した友人は泣いてメーカーに電話したそうな…

〜余談終わり〜


北リファルファ地方が追加され、ゲリスクに続いてロヴァニエ到達がプレイヤーの前に大きな壁として立ちはだかりました。
俺もロヴァニエに実際に到達したのはこれから半年後くらいだったと思います。
ラスベルをタンクにしてアドリアス、マルバス、マルマにリカオンハイエナを入れて辛うじてクリアした記憶。

ちなみに俺が初めて手に入れた☆5ヒーローはルーファスでした。
当時アンダリオ推しで頑張って育成しており、パッシブの相手であるルーファスがどうしても欲しかったのでコツコツ貯めた石を一気に使って手に入れました。

しかしこのルーファス、持ってる人ならわかると思いますがとにかく防御が紙。
デュエルではカウンタースキルを発動する間も無く即死するレベルの紙。
この頃は課金キャラと言えどもステータスが高いと言うことも無く、ある意味では公平、別の意味では非常に不公平な時期だったのです。

もちろんゴリッゴリに育成すれば(当時の)デュエルでも十分強いキャラだったのですが、手に入れるだけで精一杯の俺にはとても使えるヒーローでは無かったルーファス。今でもほとんど使ったことがありません。

その後しばらくしてルーファスはあまりに不憫だったのかバランス調整の対象となり、攻撃スキルの威力アップとともに初回CT減少の追加が予告されました。

ところが何故かこれにプレイヤー勢が大ブーイング。この頃にはデュエルでのギスり具合が激しくなっていたことの現れでもあります。
結果ユーザーの声を受ける形で初回CT減少の実装は見送られることとなりました(その後ほとぼりが冷めた頃にコッソリサイレント実装された)。

ストーリーでもとにかく不幸だし個人的にキャラストいち不憫なヒーロールーファス。
リリースされる時期が悪かったよね…


6月から7月にかけての間に繁体字版(台湾版)がリリースされ、記念の屋台&花火イベントも開催。

そしてキャラストの一番長い夏。あのイベントがやってくるのです。

〜続く〜


タンゴマ

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