~これまでのあらすじ~
サリサリの崖街で悪さをしていたダークエルフの盗賊は、精鋭部隊モ・フリタスの”聖騎兵隊”の三姉妹の活躍により追い払われた。
一人のダークエルフを捕虜にした若き将軍ミグノノは、尋問を行い、彼らの真の目的を暴こうとしていた。
今、ゲッシーの首都マルポポに、静かに危機が迫ろうとしていた。
Cross Story (偽)
ミグノノ「いい加減に、君たちがサリサリの崖街で暴れてた目的を教えてくれないかなあ?」
ダークエルフ「...。」
ミグノノ「ボクもこんなことはしたくないけど、このまましゃべってくれないと拷問しちゃうよ。」
ダークエルフ「やりたければ、やれ。我々にそんな脅しは通用しない。」
ロロタタ「...ミグノノ、どうするの?」
ミグノノ「それは!...どうしようかなあ?ボク、拷問とかやったことないからなあ。」
ダークエルフ「...。」
そこへ、”聖騎兵隊”のモモモモがやってきた。
モモモモ「将軍!この子たち、またお腹をすかせちゃってるみたいなの。何か食べるものないかしら?」
モモモモが騎乗したシバイヌ(?)は、ゆっくりとダークエルフに近づいた。
ダークエルフがシバイヌと目があうと、とてもつぶらな瞳をしていた。
シバイヌは、ダークエルフの顔に鼻を近付け、匂いを嗅ぎ始めた。
ダークエルフ「ヒイイイイイイイイイッ!...わかった!わかった!知ってることを全部しゃべるから、こいつに俺を食べさせるのをやめてくれ!!!!」
それからダークエルフは、堰を切ったようにしゃべりはじめた。
彼は盗賊ではなく、ダークエルフ軍の正規兵であること。
襲ってきたナノコーン騎兵隊は斥候で、本体の大規模部隊がマルポポに向かっていること。
そして、その本体はナノコーン騎兵100騎で構成されており、アースドラゴンをマルポポに突入させて大暴れさせようとしていること。
ミグノノ「マルポポが大変だよ!早くマググラさんに知らせないと!...タタリン!早くキャラバンに来て貰ってよ!」
タタリン「キャラバンは来ないわよ。ポルカがお休みで、温泉郷に行ってるのよ。」
ロロタタ「ええええ!ここからマルポポまで走ったら、半日はかかっちゃうわよ!」
ママミミ「将軍!あたしたちにまかせて!」
ムムメメ「聖騎兵隊ならあっという間よ!」
ミグノノ「わかった!頼むよ。でも、敵の数が多いから、絶対戦っちゃだめだよ!マググラさんに知らせるだけだよ!」
モモモモ「了解よ!」
聖騎兵隊のシバイヌたちは、矢のように走っていった。
ミグノノたちも大急ぎで聖騎兵隊の後をおいかけた。
だが、チャクテク大地溝帯にさしかかるまでに、普段の運動不足がたたって、兵士の半数以上が脱落していた。
ロロタタ「ミグノノ!しっかり!がんばって走って!」
タタリン「運動不足じゃないの?だらしないわよ!」
ミグノノ「...ゼエゼエ。...ボクは、もうダメだよ。」
その日の太陽が落ちる直前に、ミグノノたちはようやくマルポポの樹根街が見えるあたりまでたどりついた。
すると、大地になにか黒い点々がいっぱい落ちていた。
近づいていくと、それはナノコーンの亡骸だった。
マルポポに近づくにつれて、ナノコーンの亡骸の数は増えていった。
マルポポ樹根街の入口ににたどりつくと、マググラが一人で立っていた。
ミグノノ「マググラさん!いったい何があったの?!ダークエルフの軍勢は?!アースドラゴンは?!」
マググラ「ミグノノ将軍か。...それが我にもさっぱりわからんのだ。確かにダークエルフの軍勢がアースドラゴンを連れて襲ってきたが、戦楽隊が出撃するよりも前に、大きなビーストが現れて、敵のナノコーンを片っ端から襲って食べたのだ。」
ミグノノ「ええええええ?!...それはたぶんうちの部隊のシバイヌですよ。...それで、ダークエルフはどうなったんですか?」
マググラ「ナノコーンたちがパニックになって暴れたので、あきらめて撤退していったよ。」
ロロタタ「それで、シバイヌは?シバイヌは無事なの?」
マググラ「それなら、あそこでアースドラゴンを食べているよ。...まったく。貴公の部隊には驚かされることばかりだな。」
ミグノノとロロタタがマググラの指さした方向を眺めると、確かに聖騎兵隊のシバイヌたちが群がって、アースドラゴンの亡骸をモリモリ食べていた。
ママミミたち三姉妹は、振り落とされないように、シバイヌの背中にしがみついていた。
ママミミ「将軍!あたしたち、将軍に言われたとおりに戦うつもりは無かったのよ!」
ムムメメ「でも、この子たちがお腹をすかせちゃて。」
モモモモ「全然言うことを聞いてくれなかったの!」
ミグノノ「いやー、まあ、君たちのおかげでマルポポは無傷だったしね。君たちは、ほんとによくやってくれたよ。」
シバイヌ(?)「...然り。」
ミグノノ「?!...タタリン、今何か言った?」
タタリン「何も言ってないわよ。」
ミグノノ「??」
こうして、聖騎兵隊の活躍により、マルポポは救われた。
だが、ミグノノたちはまだ知らない。
総勢10万のダークエルフの軍勢が、虎視眈々とマルポポ侵攻の日をうかがっていることを。
そして、彼らの侵攻の障害となる、ミグノノ将軍自身にも、ダークエルフの魔の手が迫ろうとしていた。
(おしまい)
写真:しゃべれたのか?!お前!!!
コメント
1
桃
ID: zw5gxscayn9d
続き、楽しみだぞい(^ ^)
2
島津豊久
ID: weubkgqkmtdq
ありがとうございます!