ブラゾネリ(偽)は、ゾネリさんがイアル各地をブラブラ歩いて謎を解き明かします。
ゾネリさん、今日はハロウィンのイベントで大賑わいの自由都市ネロに来ているようですよ。
今日のお題:”ネロは、どのようにして自由都市になったか?”
Cross Story (偽)
ロロミュ「ゾネリさんは、ネロにいらっしゃったことがありますか?」
ゾネリ「いやー、もう20年くらい前になりますかねー。貴族の娘さんがお亡くなりになったのを生き返らせに、営業で来たことが一度だけありますねー。ロロミュさんは?」
ロロミュ「あたしも、小学校の修学旅行で一度だけ。」
土産物屋「ゾネリさん、はじめまして。私は、今は幽冥の館とネロ動物園で土産物屋をやっていますが、少し前まではグバア工科大学で地質学を教えていたんですよ。早速ですが、ゾネリさん。このネロの地形的な特徴、わかりますか?」
ゾネリ「そうだなあ。大陸の真ん中に大きな海があって、その真ん中にこの島があるわけでしょ?ヘンな地形だなあ。火口湖ですかね?それにしてはカルデラが残ってないなあ。」
ロロミュ「…火口湖?…カルデラ?」
土産物屋「この近くに、ネロの成り立ちがわかる場所があるんです。行ってみませんか?」
ゾネリ「行きましょう。行きましょう。」
ゾネリさん達は、ネロの広場から船着場のほうに向かって歩いて行きます。
ゾネリ「おっ!魔法使いに仮装したネコがいますねえ。ハロウィンですねえ。…ネコちゃーん!ネコちゃん!」
ロロミュ「ゾネリさん、ネコがお好きなんですねえ。…ゾネリさんは、ハロウィンに仮装とかしないんですか?」
ゾネリ「しないよ。…私は普段が仮装みたいなもんだから。」
ロロミュ「www」
土産物屋「…ここなんですが。どうでしょうか?」
ゾネリ「これは、洞窟ですねえ。深いなあ。ネロにもこういう場所があったんですねえ。…これは火山の火口ですか?」
土産物屋「うーん。ちょっと違います。このあたりには火山は見つかっていないんですよ。」
ゾネリさん、早速何か見つけたみたいですよ。
ゾネリ「おっ。ここに珍しい石がありますね。なんだろ?…何かの化石かな?」
土産物屋「この洞窟からは、この石がたくさん取れるんです。これは魔獣の殻の化石なんですよ。」
ゾネリ「えっ?!そうなんですか?…しかし、ずいぶん古いものみたいですねえ。そんなに昔から魔獣って居たんだ。」
土産物屋「これは2万年ほど前の魔獣の殻の化石です。ゾネリさん、何故ここで、魔獣の化石が取れるかわかりますか?」
ゾネリ「何か、だんだんわかってきたぞ。…ひょっとして、ネロの周りの海ってのはクレーター湖だったりしますか?」
土産物屋「さすが、ゾネリさん!大正解です!」
ロロミュ「クレーター湖?」
ロロミュさんの為に、僕から説明しましょう。
クレーター湖とは、大昔に落下した隕石がつくった大穴に、水がたまってできた湖のことです。
土産物屋「でも、ここネロのクレーター湖は、隕石の落下でできたわけではないんです。」
ロロミュ「??」
ゾネリ「それはつまり、エニグマですね?」
土産物屋「そうです!その通りです!ネロの海は、今から2万年前に落下したエニグマの衝撃で造られたんです。」
ゾネリ「はー!…ということは、ネロは、落ちてきたエニグマ自体を島として再利用してるわけですか。落ちても壊れなかったんだなあ。」
土産物屋「いやー!ゾネリさん、さすがです!」
ゾネリ「ここの山とかヘンな形してるもんなあ。あれはエニグマの形だったんですね。」
ロロミュ「そう言われてみると、確かに似てますよね。…でも、あんな大きなものが何で落ちちゃったんでしょうか?」
土産物屋「ゾネリさん、実はネロの遺跡の発掘が進んでましてですね、エニグマに住んでいた魔獣以外の生命らしき痕跡が、つい最近見つかったんですよ。見に行ってみませんか?」
ゾネリ「おお!それはすごいなあ!行きましょう、行きましょう。」
おっと、残念ですが、今週はここまで。次回はゾネリさんが謎の生命体と遭遇?
来週も引き続き、ここネロからお届けします。
(つづく)
著作・製作 IHK
写真;土産物屋のおじさん。元はグバア工科大学の著名な学者だったらしい。
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