ジゼルレーヌの旅日誌

公開

[鈍色の空、君を映す]


もこもこ厚着に包まれて、浅葱鼠の空の下、境の国へと着きました。

寒さ、病に耐えかねて、床から見える薄墨の色。
倒れては大変。体ばかりはお大事に。
笑顔が戻るそのときを、あなたは思い描くでしょうか。

への字口した女王様は、靴音響かせ、遠く遠くを撃ち抜きました。
心に芯を通した強さ。白銅色を纏うでしょうか。

名声と、歌声と、響きに映える銀灰色。
騎士団の皆々様には会えずとも、漏れ聞く話は数知れず、
街角を暖める焚き火のように、人の心を包むのでしょう。



雲から漏れる光のような、言葉をどうぞ、伝えてね


ジゼルレーヌ

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