紅冬藍夏の旅日誌

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ぱんやずだいやりーでゅえる編 第三話


前回のあらすじ
わるいパン屋は仲間を探す旅に出たまま音信不通になりました


パチパチと火の粉が爆ぜ辺りにいい匂いが漂います。
森の中、即席の竈に薪をくべパンを焼くのはあのわるいパン屋です。
旅に出た後、珍しい野草を見つけてはあっちへふらふら、こっちへふらふら。
いろいろなパンを焼いていたようなのです。
決して、歌って踊って遊んでいたわけでも、戦闘機で大空を駆けていたわけでも、
騎士団で巨大生物と戦っていたわけでもないのです。

焼きあがったパンを食べながらわるいパン屋は考えます。
そういえばなんで、旅に出たのだっけ。
別にパンを焼くためだとか、レシピ研究とか、そんな理由ではなかったはずです。
だってそれなら別に街中で出来るし、素材集めはキャラバンでひとっとびですから。

そうだ、仲間を探すんだった。ようやく思い出したわるいパン屋は、火の後始末をして旅を再開します。
そう、一緒にベーカリーカフェを切り盛りする仲間を。何か違う気がしますが、それを突っこんでくれる人はここにはいません。
こうしてわるいパン屋の旅は、カフェ仲間を探す旅となりました。

まず声を掛けたのは、メイドさんです。ベーカリーカフェで提供するのは自分の焼くパンと飲み物ですから、給仕役が必要だと考えたのです。彼女はゾンビだそうですが、腐敗臭とかはしないので問題ないはずです。
次に声を掛けたのは召使いさん。何やら有能な雰囲気です。腕が4本あるそうですし、先のメイドさんとこの召使いさんがいればホールは大丈夫なはず。きっと休みなく働いてくれることでしょう。

続いて小麦農家さんに出会いましたが、別に庭で小麦を育てる必要はないので帰ってもらいました。良い小麦粉のために小麦から育ってる暇はわるいパン屋にはありません。

その後、物知りな肉屋さんと思い込みの激しい配達員さんを仲間に加え、わるいパン屋は町へと帰ってきました。
さあ、開店準備の開始です。


――to be continued... 


紅冬藍夏

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