島津豊久の旅日誌

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Episode 41「モ・フラ=レテマスの栄光(中)~精鋭部隊モ・フリタス戦記14~(偽)」

~これまでのあらすじ~

将軍ミグノノを暗殺しに来たミサクラは、逆にミグノノに命を救われ、彼に忠誠を誓った。
いまや、精鋭部隊モ・フリタスの剣術指南役に就任したミサクラは、兵士たちに厳しい訓練を行わせた。
ミグノノが、ポムムの実の収穫に追われていた一ヵ月の間に、兵士たちはめきめきと強くなっていった。

Cross Story (偽)

ミサクラ「ミグノノ閣下、兵士たちはまだまだ未熟ですが、今日は閣下にこれまでの鍛錬の成果を披露したいと思います。」

ミグノノ「いやー!それは楽しみだねえ!」

ミグノノが演習場に赴くと、30名の兵士たちは、微動だにせず横一列に整列していた。
そこへミサクラが号令をかけた。

ミサクラ「散華!」

何人かのの兵士が走って行って、それぞれ、大きな岩をかついで戻ってきた。
すると、ポムムの枝で作った木刀を持った一人の兵士が隊列の中から岩の前に進み出た。

ジャーン、ジャーン!

大きな銅鑼の音が鳴ると、木刀を持った兵士は、キエエエエエエエエエエエエエエエエエ!という気合をいれた叫び声をあげて、木刀を岩に向かって振り下ろした。

ミサクラ「彼は今、体内で練ったスフィラで、木刀を鋼の刃に変えたのです。」

そのとたん、岩はスイカを切るように、真っ二つに割れて地面に転がった。

ミグノノ「いやー、凄いねえ!」

ミサクラ「では、次の技を披露しましょう。...鳳仙花!」

すると、隊列の中から、また一人の兵士が歩み出た。
おじいちゃんだ。
おじいちゃんは、もう手を震わせてはいなかった。
杖をついてはいたが、しっかりとした足取りで大きな岩の前に歩み出た。

ジャーン、ジャーン!

再び大きな銅鑼の音が鳴ると、おじいちゃんは、キエエエエエエエエエエエエエエエエ!という気合を入れた叫び声をあげて、持っていた杖で、岩をちょこんとつついた。

ミサクラ「彼は今、体内で練ったスフィラを、杖の先から岩に流し込みました。」

そのとたん時間差で、大きな岩が、木っ端みじんに粉砕した。

ロロタタ「すごい技ね!」

ミグノノ「これも凄いねえ!」

それからミサクラは、また号令をかけて、兵士たちに技の数々を披露させた。
垂直の壁をかけ登る技、全身に矢を受けても傷一つつかない技、水の中に15分も潜る技、兵士たちの技の披露は、まるで一発芸大会のようになってきた。

ミサクラ「では最後に、我が最大の秘奥義をご覧にいれましょう。...秘奥義・花霞!」

ドロロン

そのとたん、30名の兵士の数が120名以上に増えた。
ミサクラお得意の分身の術だ。

特筆すべきは、聖騎兵隊だった。
ママミミたち三姉妹はまだ小っちゃいので分身できなかったが、彼らの騎乗するシバイヌ(?)は、3匹が50匹近くにまで増えていた。
ミグノノがシバイヌの一匹と目があうと、もうつぶらな瞳をしてはいなかった。
シバイヌの目は、狼のような、するどい野生の眼光をしていた。

ミサクラは、兵士たちの技に満足すると、兵士たちの前に進み出た。

ミサクラ「兵士たちよ!よくぞここまで、我が鍛錬に耐えました!貴方たちは今や、1人で1,000人を倒す、無敵の軍勢となりました!貴方たちには、古代ゲッシーの言葉で”精鋭の中の精鋭”を意味する”モ・フラ=レテマス”の称号を授けましょう!」

ジャーン!ジャーン!ジャーン!

兵士たちは、腕を振り上げて、エイエイオー!と鬨の声を上げた。

こうして、精鋭部隊モ・フリタスは、ミサクラの手によって”精鋭の中の精鋭部隊”モ・フラ=レテマスとして生まれ変わったのである。

...だが、しかし(不穏)

(つづく)

写真: 分身の術を披露するタタリン。最大で6人の分身を出すことができるようになったらしい。
ASのコンフュージョンと組み合わせると、分身どおしで戦わせて遊ぶことができる。

島津豊久

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