島津豊久の旅日誌

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Episode 31「大運動会(後編)~精鋭部隊モ・フリタス戦記10~(偽)」

~これまでのあらすじ~

マルポポのコロシアムにおいて、ゲッシーの精鋭部隊モ・フリタスと戦楽隊の模擬戦がはじまった。
序盤は”聖騎兵隊”の三姉妹の活躍によりモ・フリタスが優勢に進んだ。
だが、戦楽隊100名に対し、モ・フリタスはわずか20名(既に3名脱落)。
ミグノノ将軍は劣勢を跳ね返し、勝利をつかむことができるのだろうか?
助っ人のミャルが、今まさに秘蔵のビーストたちを解き放とうとしていた。

Cross Story (偽)

ミャル「じゃ~ん。まず最初のビーストはねえ、ヴァルメルで捕まえてきた、バビルザ・マスクだよう。」

布で覆い隠された大きな檻の扉が開いて、ゆっくりとバビルザ・マスクが出てきた。
それは、どうみてもビーストではなく、バビルザの覆面をかぶったヒューマンの騎士に見えた。
覆面はミャルの手作りらしく、どこかかわいくユーモラスだった。

ミグノノ「うーん。どこかで見たことがあるような人だなあ。」

バビルザ・マスク「フッ。…バビルザ・マスクの名、その骸に刻んでやろう!」

そう言うと、ソフィ…いや、バビルザ・マスクは、戦楽隊の第二のタワーめがけて、真っ直ぐ突っ込んでいった。
戦楽隊は密集隊形を組んで防御したが、ソフィ…いや、バビルザ・マスクの敵ではなかった。
彼女はあっという間に第二のタワーを破壊すると、振り返ってミグノノに軽く手を振り、コロシアムの柵を飛び越えて、颯爽と去って行った。

ロロタタ「すごい!…あの人誰なのかしら?」

ミグノノ「ソフィアさん、最近よくゲッシー領に来てるけど、ヒマなのかなあ?」

ミャル「さあ!どんどんビーストたちを出していくよう~!次はねえ、キタエットル仮面。ドガ要塞にいたのを捕まえてきたんだよう~。」

キタエットル仮面は、どうみてもオークの大男だった。この人もまた、ミャルの手作りらしいユーモラスなキタエットルの覆面を被っていた。
だが、その鍛えられた筋肉は、むしろキタエットルよりもムキムキだった。

キタエットル仮面「...何者が相手であろうと、打ち砕く。」

ミグノノ「いやいや!ミャル!この人は絶対ダメ!ダメだよ!外交問題になっちゃうよ!」

ミグノノはあわてて、ファイティングポーズをとっていたゾル...いや、キタエットル仮面を押しとどめた。
ゾル...いや、キタエットル仮面は、ちょっと残念そうにミャルのほうを見ると、すごすごと檻の中に戻っていった。

ミャル「ええ?そうなの~?つまんないなあ。…それじゃあ、かわりにギュリアムで捕まえてきた大砲レディでどうかなあ~?」

檻の中から「下郎ども!控えよ!」というアッザ...いや、大砲レディの声が聞こえてきたので、ミグノノはあわててミャルを制止した。

ミグノノ「ダメ!ダメ!その人も絶対出しちゃダメだって!」

ロロタタ「…ミャルって実はすごい人なのかも。」

モ・フリタス陣営が内輪もめしている間に、マググラは戦楽隊の編成を組み直し、司令塔の防衛を数名だけ残して、残り全員でこちらに向かって攻めてきた。
防御の兵士を置いていないモ・フリタスの第一、第二のタワーはあっさり倒され、残りは司令塔だけになってしまった。

ミャル「あ~あ。キタエットル仮面だしとけばよかったのにね~。」

モ・フリタスの司令塔は完全に包囲されてしまった。
四方から襲ってくる戦楽隊の攻撃を、モ・フリタスの勇敢な兵士たちは、ポムムの枝でつくった槍やこん棒で懸命に防いだ。

ミグノノ「…これはもうダメだね。降参しよう。」

ロロタタ「残念だけど、しょうがないわね。」

そのとたん、ドーン!という大砲の音が鳴り響いた。
模擬線終了の合図だ。
勝者!精鋭部隊モ・フリタス!

ミグノノ「??」

ロロタタ「見て!ミグノノ!」

ミグノノが戦楽隊の司令塔を眺めると、いつの間にか旗が無くなっていた。
タタリンが得意そうに旗を振りながらこっちに向かって走ってくるのが見えた。

タタリン「敵をあざむくなら、まずは身内からってね。」

ミグノノとロロタタは、あっけにとられて顔を見合わせた。

(おしまい)

写真:星7つ武器を装備したカリスマ・テイマーのミャル
(他にも、分身ニンジャ・ウーマンや白塗りエルフ仮面なども自在に召還できる。)

島津豊久

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