~これまでのあらすじ~
侵攻してきたオーク軍を撃退したゲッシーの精鋭部隊モ・フリタスは、大運動会に招待された。
今年の運動会のメイン・イベントとしてマググラ率いる戦楽隊と模擬演習を行なうことになったのだ。
戦楽隊100名に対し、モ・フリタスは23名。
彼らはどんな戦いを見せるのだろうか?
マルポポのコロシアムには大勢のゲッシーたちが集まり、世紀の戦いが始まるのを待ちわびていた。
Cross Story (偽)
ミグノノ「…この前より兵士の数が減ってるじゃないか!今日来てない人はどうしちゃったのさ?」
ゲッシー兵A「それが、大運動会の時期は商売が忙しいらしいんですよ。」
ミグノノ「あれ?タタリンは?タタリンはどうしたの?」
ロロタタ「タタリンなら、戦楽隊の人と一緒にあそこでラッパを吹いてるわよ。」
ミグノノ「そんなあ!タタリンにまで見捨てられるなんて...。」
ママミミ「将軍、あたしたち聖騎兵隊が来たからには、もう大丈夫よ。」
ムムメメ「あたしたち、将軍に言われたとおり、シバイヌにまたがってみたのよ。」
3匹のシバイヌ達は、ゲッシーの少女を背中に乗せて、苦しそうな顔をしてフラフラ歩いてきた。
ミグノノはシバイヌと目があうと、何かを訴えるかのような辛そうな、それでいてつぶらな瞳をしていた。
ミグノノ「騎兵隊としては間違ってないけど、その子たち辛そうだから、すぐ降りたほうがいいよ。」
モモモモ「大丈夫よ。この子たちは鍛えているもの。」
ミャル「ミグノノ、やっほ~。久しぶり~。加勢に来たよ~。」
ロロタタ「まあ、ミャル!来てくれたの!あなたが来てくれると心強いわ。」
ミグノノとロロタタは、ミャルと握手した。
ミャルの後ろに、何やら布で覆い隠された大きな檻のようなものが見え、それは不気味にガタガタと揺れていたが、ミグノノは見なかったことにした。
そこへ、戦楽隊の”指揮者”マググラが悠然と歩いてきた。
マググラ「ミグノノ将軍。ゲッシー最強と噂される貴方の部隊と戦えることを、我は光栄に思います。」
ミグノノ「いやいや。…お手柔らかにお願いしますよ、マググラさん。」
マググラが、きびすを返して自軍の陣地に戻っていくと、会場に”模擬戦開始10分前!”の声が響いた。
模擬戦は、自軍の司令塔に立てられた旗を取られたら負け、というルールで行なわれる。
両軍の陣地には、2つづつタワーが建てられており、司令塔を攻略するには、まずはタワーを破壊しなければならない。
戦楽隊は、司令塔の防衛に30名、2つのタワーにそれぞれ10名を配置し、これら50名で防衛にあたっていた。
残りの50名が攻撃役だった。タタリンは司令塔の防衛役に配置されていた。
一方、モ・フリタスは、23名全員で司令塔を防衛するしかなかった。
ロロタタ「ミグノノ、どう?勝てそうなの?」
ミグノノ「うーん。さすがマググラさん。隙がないねえ。これはどうしようもないよ。…とりあえずみんな、ケガだけはしないようにね。」
ロロタタ「…。」
ドーン!
模擬戦開始を告げる大砲の音が鳴り響いた。ゾンカカ師がドワーフから輸入した自慢の大砲だ。
そのとたん、大砲の音に驚いた聖騎兵隊のシバイヌ達が、背中に姉妹を乗せたまま一目散に逃げ出した。
ママミミ「将軍、助けてー!」
ミグノノ「ふり落とされないように、しっかりシバイヌの首につかまるんだ!」
3匹のシバイヌたちは連なって、まっすぐ戦楽隊の第一のタワーめがけて突っ込んでいった。
ガラガラガラ。
シバイヌがぶつかると、タワーはあっけなく崩れ落ちた。
ロロタタ「やったー!すごい!さすが聖騎兵隊ね!大活躍じゃないの!」
ミグノノ「いやいや。あの子たち、大丈夫かなあ?ケガしてないかなあ?」
ママミミたち3姉妹とシバイヌ3匹は、担架に乗せられて、場外へ運ばれていった。
戦楽隊は、いきなり自軍のタワーを1つ失い、動揺していた。
ロロタタ「攻め込むなら、今がチャンスじゃない?」
ミグノノ「いやー、こっちの防御が手薄になっちゃうからねえ。」
ミャル「じゃ~ん。いよいよ、ミャル自慢のビーストたちの出番だね~!」
ミャルの後ろに置いてあった、布で覆い隠された大きな檻の扉が開いて、ゆっくりとビーストが出てきた。
(つづく)
写真: いまや戦楽隊側となってしまった、ちゃっかり者のタタリン
「タタリン、ひどいや!」
コメント
1
ヒナドリ
ID: 2fve8p9mc5mi
こんにちは、
モ・フリタスの登場を待ちわびていました。
楽しく読ませていただきます。
2
島津豊久
ID: weubkgqkmtdq
ありがとうございます!
これからも、ネタを思いついたら、ぼちぼち登場予定です。