なんとなく、ヒーロークエストを進めておりました。全く手つかずだったラルフのクエストを進めていたら「隻眼の青年」の流れ者を説得するくだりで「ん”っっっ」てなったので勢いに任せてヒュマアバくん視点の小説もどき(笑)として書き起こしてみるなど。
※アヴァターの名前は自機準拠(アル)
※アヴァター以外の台詞は一切改変していません
※つまりイベントをまんま小説化しているだけです。ご容赦を。
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「何をしているんだい? 彼らに、さっさと出て行くように命令するんだ」
この人は何を言っているんだ? 数瞬、まるで理解が追いつかなかった。
指示された場所に、確かにその人たちはいた。毛皮の付いた暖かそうな服装。ギュリアムの人だろうか。大ぶりな棒を立てて布を渡した質素な雨よけに、これから火を起こすつもりなのだろうか、円錐形に集められた木の枝や枯草。キャンプと言うにはあまりにお粗末なその場所に、親子と思しき男女3人。娘さんはまだ幼い。そんな人たちに「出て行け」と――眼帯と前髪で半分顔が隠れたその人の声音は、吃驚するほど冷ややかだった。
「でも、ラルフ……」
半歩前に出たレーナがその続きを言うより早く、キャンプにいた男の人がこちらに近づいてきた。
「あの、こんにちは……なにかありましたか……」
見るからに及び腰なその人が声をかけるなり、眼帯の男――ラルフは露骨に顔をしかめた。
「君たちはなぜそこに住んでいるんだ」
「私たちは、ギュリアムから逃げてきまして……」
「ここはヴァルメルの領内だ! さぁ、出て行くんだ!」
「あの、妻は身ごもっております。この出産が住むまで、せめて……」
ふと、雨よけの下に座っている女の人を見た。不安そうにこちらを見るその女の人は、庇うようにお腹を抱えていた。
「しつこいな!」
ラルフの語気が強まる。
「アル、剣で脅しつけるんだ!」
ぐっ、と、胸を押さえつけられたようだった。両隣のレーナとフォルクがハッとこちらを見たのが分かった。男の人が、女の人の方へ動き出す。心臓の音を聞きながら、僕は抜き放った剣を――逆手に持って地面に突き立てた。
「僕は脅しの為に父さんに剣を学んだ覚えはない。あなたは間違っている!」
「なんだって?」
ラルフの拍子抜けしたような声に、怒りさえ湧き上がる。
「私たちの考えは一緒よ。あなたには従えないわ」
「この試練もなかったことにしていただきますよ」
レーナもフォルクも一歩前に出る。それでもラルフの表情は微動だにしない。
「いいのかい? 君たちの村がどうなっても……」
そんなことさえ言ってのける……これではどっちがヴァルメルに仇為しているのか分からないじゃないか。
「ウェインさんが、あなたを頼るように言ったのは現在のあなたを知らないからだわ。ウェインさんが、こんなやり方に賛同するはずもありません」
ぎりり、とレーナが杖を握りしめる音が聞こえたようだった。
「村の危機は自分たちで何とかします」
彼女がそう言い切ると、ラルフは黙って俯いた。俯いて何かを呟いて……いや違う、よく見ると肩が震えている。笑っている?
「ふっ……ふふふ、はははは……」
「なにがおかしいの!?」
レーナが怒鳴る。フォルクは驚いて口を半開きにしていた。
「ははは、いや失礼……君たちの心根が、素直に嬉しくてね」
「え?」
「悪いけど、君たちを試したんだ」
そう言って僕たちに向き直るラルフは、さっきまでと打って変わって真っ直ぐな目をしていた。
「力ある者はいくらでも代わりがいる、でも、心の正しい者を見つけるのは極めて至難だ……そして、いま僕が出会いたいのはそういう人たちなのさ」
ラルフは右手を自分の胸元に当てる。
「僕は、君たちにかけるよ。後々、この出会いを呪うことになったとしてもね」
「ラルフ……」
レーナの声音に、いつもの優しさが戻った。詰まった空気が流れていくのを感じ溜め息を吐くと、フォルクと被る。思わず顔を見合わせて、苦笑い。
「あとで僕の家に寄ってくれ。大事な話があるんだ」
ラルフはそう言うと、キャンプの親子に丁寧に頭を下げてその場を後にした。
「僕たちを試したわけですか?」
ラルフを見送って、フォルクがぽつりと言う。
「そう言われると、それはそれで、ちょっと腹立たしい感じ……」
レーナは少し口を尖らせながらいつもの癖で杖をぐるぐると回し始めた。
「でも、ラルフが悪人ではないことが分かってホッとはしました」
「うふふ、私もよ」
地面に刺しっ放しだった剣を手に取って納めながら、ロンヴァルドが言っていた「面倒くさい性格」という言葉がなんとなく腑に落ちるのを感じた。
軍師ラルフ――会って間もなくはあるけれど、底の知れない人だ。
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いやすげえ台詞だなって思ったんです。脅し付けろってそこまで言いますかラルフさんや。これを書くに当たって過去のムービー見返してたんですけど、ウェインが魔獣の攻撃で倒れた時、アヴァター君が真っ先に飛んでってですね、盾を構えてたんです、父ちゃん庇う為に。魔獣が消えた後も剣と盾を投げ捨て父ちゃんに手を伸ばすんですよ。泣けますね。つまり何が言いたいかってーと、ただのザ・主人公でしかないヒュマアバ君が好きなんです。アロティちゃんの次くらいに。
【余談】お得ガチャでロッコメイン★5(初入手)とロッコサブ★4(被り)とヴィンガサブ★5(初入手)とメラサブ★4(初入手)とボグスサブ★4(被り)とフォルクメイン★4(被り)アンギラサブ★5(被り)とカラミティサブ★4(いねえ)とロンヴァルドメイン★4(いねえ)エッダサブ★5(嬉しい)とロロタタサブ★5(超嬉しい)が出たのに推しの武器一個も出てこないのなんで……あ、あとキリアンとユウリさん本人が出ちゃったんですよもうキャラスト1周年おめでとうございます(全ギレ)
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