「なぁ、これから少し時間あるか?」
不意に声をかけられた。
まさか、この私が声をかけられるまでその気配に気付かないとは、いささか驚いた。
立場上、こういった場合は覚悟を決めなければならない。
今となっては過去の話だが、幾人もの恨みをかったであろう事には心当たりが多過ぎる。
「…いいでしょう。」
いつもと変わらず無表情のまま私は答えた。
「ふっ。ひと気の無い場所を設けてある。
付いて来てくれ。」
その者は軽く笑みを浮かべ、私に背を向け颯爽と歩を進めた。
いつでも仕掛けて来いとでも言う様な自信に満ちた背中を追う。
それにしても、何と無駄のない華麗な動きなのだろう。
揺れ動く姿はまるで陽炎の如く。掴みどころがない。
(やはり、いつの時代にも現れるものですね…。桁外れの実力者が。)
胸中で呟きながら、これから待ち受けるであろう死闘を想像すると、僅かながら口角が上がるのを感じた。
それを察したのかは定かではないが、
「少しスピードをあげるぞ。」
前を行く人物は振り返らずにそう告げた。
気配を極力まで断っている二人は
常人には上空の鳥が地上に落とした影の様な認識しか与えない。
二つの影はそのままヴァルメルの路地裏を駆け抜けて行く。
つづく
コメント
1
モル汰
ID: d4edb5xnwxbp
なんだ なんだ、めっちゃ続きが気になるなw
更新はよ( *´艸`)
2
桜襲༄✿*.゚
ID: 8b9jmi4jpeka
|ω・)タンタカターン
なになにこれは何のお話なのっ!?まっまさか伝説のあの人??
続き気になるぅぅ‹‹\(´ω` )/››
この発言は削除されました(2022/02/25 02:00) 3
4
るる༄✲*
ID: bj5sgyg67piw
>> 1
気になってくれたなんてありがとーΣ(゚ω゚ノ)ノ
新たに付け足したやつ一応上げました…まだ未完だけどww
5
るる༄✲*
ID: bj5sgyg67piw
>> 2
お酒じゃないよ!ww
さすが桜さん…あの人だと分かってしまいましたか(´-ω-`)
続きを少し付け足したの上げました…
ミサクラさん好きに怒られちゃうな〜;;(∩´~`∩);;
6
るる༄✲*
ID: bj5sgyg67piw
>> 3
ARIAさんだーヾ(o´∀`o)ノ
読んでくれたんだ!?
てか、アイコン変わったんですね〜(*´艸`)