キャラスト今昔物語 番外編「ゲーム作りとこの世の真理」

うぉいまだメンテ終わってないんかい！

と思ったのでまたまた余談です！←

〜ここから余談〜

菅野ひろゆき氏というゲームクリエイターの方が居ました。

過去形なのは2011年に脳梗塞によって夭折してしまったからです。

1990年代のパソコンゲームにはアダルトゲームが一大ジャンルとしてありました。

氏はそのジャンルの中堅ソフトメーカーに入社しプログラマとして制作に携わっていましたが、自分のゲームを作りたいと自らシナリオも担当した一本のアダルトゲームを制作します。

僅か2ヶ月という制作期間でどうにか作り上げ達成感を得た氏ですが、その第一作の評価は「ゲームではなくデジタルコミックでしかない」と芳しくないものでした。

そこで氏は「作り手の苦労などユーザーには関係のない事であり、出来上がった作品の質が全て」との真理を得るのです。

そうして血を吐くような努力と共に真摯にゲーム作りに取り組んだ結果、「EVE〜burst error〜」「DESIRE」とアダルトゲームながら高く評価されるヒット作を送り出しました。

その評価を受けて当時アダルトゲームの最大手であったソフトメーカー、エルフからヘッドハンティング。

音楽とグラフィック以外の全てを短い期間でほぼ1人でやらなければならないこれまでの地獄のような制作環境から解き放たれて、クリエイターとして全力を発揮できる場を得たのです。

そうして作られたゲームが「この世の果てで恋を唄う少女　YU-NO」でした。

パラレルワールドやタイムリープの要素を盛り込んだアドベンチャーゲームで、例えばあるルートでヒロインが死亡するバッドエンドを迎えた後、必要なアイテムを捜索したのち過去に戻って今度はヒロインを救う、と言ったシステムが特徴です。

こうして書くと「ふーん」としか思われないかと思いますが、当時これは画期的なシステムと発想だったのです。

当時はアダルトゲームにおいてアドベンチャーゲームは最もスタンダードなジャンルでしたが、構造的な欠陥である「失敗→やり直しの繰り返しで疲れてしまい徐々にプレイがおざなりになっていく」「全てのイベントを見るためには結局コマンド(選択肢)総当たりでクリアする必要があり時間が無駄になる」という点は多くのユーザーが不満を抱えていたところでした。

氏はそこを逆手に取り、この不満点をゲーム内で昇華させて「失敗が無駄にならない」「義務感ではなく恒常的にストーリーに興味を持って進められる」というシステムをイチから作り上げたのです。

「こういうものだから」と思考停止に陥らず、プレイヤー目線で本当に面白いゲーム、自分が作りたいゲームを作ろうとしたクリエイターの鑑だと思います。

システムのみならず、少年時代は読書の虫でミステリーやSFに耽溺していたという氏のシナリオやテキストの面白さも他のゲームと比して群を抜いて面白いものでした。

しかしこのYU-NO、実は氏がもともと構想していたシナリオを全て実現するには開発期間が足りず、本来のシナリオの7割ほどしか入れられなかったそうです。

そのため氏はこの作品を「駄作」と言ってしまうほどの悔いが残ったようですが、氏の思いに反してYU-NOは圧倒的なユーザーの支持を得て大ヒット。その後アダルト要素を排したバージョンがセガサターンに移植されるなどの異例のヒット作となるのです。

このゲームに衝撃を受けたファンは数多く、氏の夭折後でありながらこの作品のファンであった業界人の尽力でこの名作を世に送り出したいとなんと誕生から20年の時を経てリメイク版としてPS4版、PSVita版、Switch版が発売されました。

奇しくも自身の第一作と真逆の結果となったYU-NO。まさに「完成した作品が全て」を体現した名作です。

〜余談終わり〜

運営さんや開発チームが大変なのはわかる！
わかるけれどもゲーム作りは結果が全て！
メンテが延長されようがユーザーの不満が爆発しようが最終的に評価され得るゲームを作っていただきたい…っ！

CSC、どれだけ面白いコンテンツになるのか楽しみだなぁ期待に胸が張り裂けちゃうね^ ^