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ピック様を探す事に決めたは良いものの、 やはり『呪い』という響きが頭を離れない。怖いというよりも不安で仕方がない。
呪いというものが伝聞や勘違いからの心的ストレスからなるものだというのは重々分かってはいるが、 いざ直面してみると「たかだか呪い」とはどうしても思えなかった。
不安を少しでも減らす為にギルチャで同士を募ってみる事にした。
「ピック様探しに行きますけど、 どなたか一緒に探しに行きませんか?」
5分…10分…30分
やはり、 こんなわけのわからない事に付き合おうとするユーザーなんていないのではないか? そもそもピック様の噂を知っている人間がどれ程いるのか。
「vinciさんコンニチワー!! ピック様ってガチャの噂のアレですか?」
「そうですそうです。当たった事を話しちゃいけないやつw アルメが片手5になったので藁にもすがりたくてww」
「アルメおめです! 私もアッザリアの星5欲しいからご一緒しようかな…」
「呪いとか大丈夫ですか?」
「呪いww ずっと独り身の呪いを既に受けてるかもw ピック様の呪いくらい余裕ですわw」
その後、 数十分待ってみたが他に参加者は現れず二人でピック様を探しに行く事にした。
話し合った結果、 スカイプで雑談をしながら行商探しの要領で時計回りにワープをして行く事になった。
少し違うのは2人一緒にワープするという事。
ワルチャで情報収集をしてみると「黄色いマーカーは出ないらしい」との事だった。つまりはNPCとして表示されないらしい。
多少手間ではあるが、 二人でマップを上下分担し虱潰しに探索することにした。早速、 私たちはフォルカ村からピック様を探しはじめた。
フォルカ村から始めたピック様探しは既に数時間を経過してしまっていた。
「よくもまあ、 こんな事に付き合ってくれますね。でも、 ありがとうございます」
と感謝を伝えた時だった。
「vinciさんいた!! ピック様!!いた!!マジでいるんだけど!! ヤバイ!!マジか!!」
スカイプの向こうでギルメンが興奮している。
だが、 次の瞬間には怒りのこもった溜め息が聞こえて来た。
「はぁ……マジでクソなんだけど…」
「電池切れですか?回線落ち?」
「釣られたわ。普通に緑マーカーだもん。ワルチャの会話見られてたんだよ。 バカにしやがって」
たしかに、 ピック様探しなんて馬鹿げた事をワルチャで話せばこういう輩が出てきてもおかしくはない。
とはいえ数時間も本気で探していた私たちからすれば、 怒りが湧いてくるのも当然だった。
「とりあえずIDメモっておきますね。」
メモにとったIDをどうこうするつもりはないが、 いつかコイツに別件で出会った時に全力で仕返しをしてやろうと決めた。ほぼ八つ当たりである。
しかし、 八つ当たりをする事は出来そうにもなかった。 偽ピック様にはIDが表示されていなかったのだから。
私とギルメンは息を吐き出すのを忘れ、しばし偽?ピック様の前に立ち尽くした。
続きは次週です。
コメント
1
catnap
ID: k6ccys9eu5wk
きーにーなーるーーっっ!!
真偽云々さておき、イアル中を誰か探し回るって楽しそうですね(*´艸`*)
次回楽しみにしてます♪
2
ぷりん
ID: 965v5ihkg4ez
こんにちは♪
おー!引っ張りますねー
週刊vinci劇場…来週をお楽しみに♪
3
ジャコ|ω`)
ID: t79hpfqgv3gj
ついいつも読み込んでしまいますw
来週も楽しみにしてます!( ´ ▽ ` )