大王の夜は遅い、そして朝は速い
イカの一生は短く、イカ大王を名乗れるのは天文学的な確率を生き延びた者に与えられた天の祝福とも云える。
生まれた時から勝手に名乗れる大王イカとは、全く別モノであり、同一視する事は大王に対する叛逆とも云える。
幸いにもこの日誌を発見出来た者が、この事実を後世に伝える崇高な責務を担った幸運を感ずることであろう。

先日、天が気まぐれに世界の改変を行い。大王たる我が在るべき世界の理に変化が訪れた。
結果として我が手勢は強化され、特にソフィアとか申す小娘が我の歓心を引く程の成長を遂げた。
時は来た!我が軍団の威をあの憎きグレン山林の狼共に示す時が来たのだ。
まずは小娘に大王の恩恵でルーンを授け、受けるダメージの25%を軽減出来る様にした。
次は策である。
新たにメガネをかけた蜥蜴人を見出し、奴の技を小娘と連携させるというものだ。
通常技での技能の短縮効果を利用し、
小娘の最初の戦乙女の障壁が途切れる前にもう一度障壁を発動させるというものだ。
理論上はあの忌まわしき狼の持つ猛吹雪を防ぐ事が出来るはずである。

我が軍団は急ぎグレン山林に急行した。
そして襲い来る狼ども...。

結果は大成功、小娘の障壁は見事に狼の猛攻を防ぎ、我の目には１、１、１の数字が並んだのである。
そして狼どもを蹴散らし我が軍団はグレン山林への侵攻を果たしたのである。
その勢いで我に歯向かうオークの老いぼれ、ギザロの討伐も果たし、老いぼれを我が幕下に加える事にも成功した。
何れも大王の意を受けた配下のヒーローに全てを任せ、我は戦場の後方から何も手を下すことなく勝利したのである。

当座の目的はアッサリと果たされた。しかし更なる難敵の出現に備える事は大王たる我には当然の事であろう。
暫くは老いぼれギザロ、ゲッシーの占い師の２名を５段階目に進化させる事を目的に据えるとしよう。
幸いにもアニマは充分確保されているのだから。

大王には、盟友たる君主が存在する。この世の新たな理により、当分の間は盟友と共闘する事が増えそうである。
難敵であるケレンケンの討伐の為である。
巨大ケレンケンの討伐は成し遂げてはいないが、召喚された小ケレンケンを討伐出来たので
その栄誉を称え、盟友の名を記す。

我の言の葉では発音出来ぬであろう異界から現れしモノ Mos@#$&^%
電波なるモノを操りし夜の帳の主にして女王 にゃんこ
人の身を持ちながら類稀なる素質を秘めた戦士 カナタ
その美貌と智謀にて全てをその掌に握る 美姫 ベアトリス

彼等に大王の名において、最高の賛辞を贈るのである。

なお、この日誌の続きが発見される事があるのかは誰にもわからない。

イカ大王