１．新緑の折、新生活が始まった人たちもようやく新しい環境に慣れた頃合いだろうか。あれこれ慣れてきたこの時期ぐらいから周囲の人間関係も大きく変動しだすことが多く、新しい友人や、ひょっとすると彼氏・彼女が出来たりした人もいるかもしれない。この、慣れた時期に人間関係が大きくステップアップする現象には、「単純接触効果（ザイアンスの法則）」というものが大きく影響している可能性がある。

２．単純接触効果とは、ある対象に接触を繰り返すとそのモノに対する好感度が高まる現象のことをいう。人は未知のモノを警戒し遠ざけようとする傾向がある一方で、慣れ親しんだモノには愛着を覚える傾向がある。接触を繰り返すうちにそのモノに対する未知が解消され、警戒心が溶けるうちにやがては親しみに変わる。これは感覚的に理解できる現象だろう。
　遠距離恋愛になった途端に別れるカップルがいるのも、職場内で不倫が横行するのも、テレビCMに頻繁にでてくる芸能人に親しみを感じてしまうのも、すべて単純接触効果の影響が及んでいるのである。
　若手アーティストが作るくだらない楽曲の一節に、好きだからそばに云々といった歌詞が散見されるが、単純接触効果という観点からみるとあれは誤りだろう。好きだからそばにいるのではなく、そばにいるから好きになるのである。

３．もっとも、単純接触効果には負の側面もある。嫌いなモノに接触を繰り返すたびに憎悪が高まっていく現象、あれのことである。付言すると、嫌いだったモノに接触を繰り返すうちに慣れて嫌悪感がとれる場合もあるように、単純接触効果だけですべてを説明できるほど人間の感情というものは単純ではない。
　さりとて、日々接触を繰り返すことそれ自体に非常に大きな意味があることは確かなので、好意を抱かせたい対象がいる場合には可能な限り相手の視界に入るよう努力をすると良いかもしれない。むろん犯罪にならない範囲ではあるが。

４．当然のことながら、キャラストにも単純接触効果の影響は及んでいる。当初は特段何とおもっていなかったキャラも使い続けるうちにだんだん好きになってきたという人も少なくないのではなかろうか。
　そして、キャラストにおいて繰り返し行う行為といえばそう、デュエコロである。自分が使用するか否かにかかわらず、毎日何度も何度もデュエコロを繰り返し、最近では親の顔よりもよく見かける奴ら。
　単純接触を繰り返すにつれ対象に好意を抱きはじめた私は、遂に彼を☆６進化させるに至るのであった。