WORLD TRIP 1
イアルに吹く風は、レイドの匂いがした。
僕は目的地も決めずに走り出した。
右手には鉄の剣。左手には木の盾。その重さが心地いい。
村の知り合いに『仕事はないか』と聞いてまわってやっと貯めたゴールド。必要なゴールドを貯めるのに、一年もかかってしまった。
決して名のある武具ではないが、村で買える一番いい武具だ。
僕にとっては、特別なものだ。
森を抜けると、海をのぞむ岬にでた。
今日から僕は、冒険者なのだ。
しかし、海風に吹かれて剣を握り締めた僕は気づいた。
冒険は、もうずっと昔から、始まっていたのだということに。
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コメント
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くりふすにゃー
ID: y75thqnwcnft
わくわく♪