ジンリンの旅日誌

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バグについて


バグについて自分の考えを書く。
僕は一応ITエンジニア的な仕事をしてたし、MMORPG歴もそれなりに長い。
その視点での話し。
僕は運営擁護派だが、批判すべきは批判しなきゃとは思っている。
しかし、批判の内容そのものが本当に正しいのかとなるとかなり難しいことも理解してもらいたい。



バグの有り様

MMORPGでバグっていうのはあって当たり前と思ってる。
プログラミングをした人なら大体わかると思うけど、プログラミングで一番のネックはデバッグとなる。
バグはどんな小さなプログラムにも含まれる可能性があって、大規模なプログラムだと無いことなどありえない。
現在僕らが遭遇したバグは氷山の一角で、本実装前にめちゃくちゃ大量のバグを直しているのは間違いない。
バグのめんどくさいところは、バグが有っても正常に動くこともあれば、バグのせいで設計上は間違ってるのに正常に動いてしまうこともある。
バグを1つ直すことで新たなバグが発生したり、今までうまく行っていたことができなくなったりもする。
デバッグを焦ることでバグが増えることもプログラミングではよくある。
再現性が低いバグは原因がわかりにくく、原因の調査だけでもかなり時間がかかったりもする。

いろんなゲームの中でもMMORPGはバグが生じやすいものの1つである。
普通のゲームは端末上ですべてが行われるので、開発もテストもシンプルにできる。
しかし、MMORPGのように、一つの世界上で多数のプレイヤーが遊び、共闘・対戦するようなゲームは違う。
MMORPGは端末とサーバー、そしてさらに他の端末とを同期させなければならない。
しかも、端末とサーバーで使えるプログラミング言語や仕様が異なる。
だから、MMORPGは普通のRPGに比べて開発コストが段違いになり、テストも難しいものになる。
そもそも、MMORPGの処理のメインはサーバー上で行われているため、サーバーもいいものではなくてはならず、そこに開発費だけではなく維持費のコストがかなりかかる。



トレードオフ

僕は以前にキャラストの開発は焦り過ぎだと書いたことがある。三周年記念のときだ。
その時、デバッグやシステムの安定化をはかったほうがいいのではないかと言うようなことを書いた。
この考えは、今も同じ考えではあるのだが、自分が間違っている可能性もゼロではない。
つまり、アップデートよりもデバッグを優先することのほうがゲーム開発・運営する上で間違った選択かもしれないとのことだ。
想定されるのは2つ、デバッグに専念することは主に時間のコストが掛かりすぎる可能性があること、アプデやイベントを抑えることでユーザーを他のゲームに取られたり投資家からの集金ができなくなる可能性があることだ。
バグが多いせいでユーザーが離れてしまうっていう話は普通に理解できるが、虚無期間が長くなることでユーザー離れが起きることも事実で、どちらがどの程度の影響を持つのかは主観的に予測はできるが客観的な確証は持てない。

バグがないほうがいいのはわかりきってる。
しかし、デバッグに専念することで何かが失われる可能性はある。
なぜなら、デバッグには膨大な時間がかかり、その時間を他のことに使っていたほうがよかったかもしれないから。
無から有は生まれない、バグを直すのに必要な時間というのも重要なコストの1つだ。
そしてさらに、デバッグというのはどのくらいの時間がかかるのか見積もりすることが難しく、バグを直すことで新たなバグを増やすかもしれないことは先に書いた。
そういった様々なコストとパフォーマンスを比べて、優先順位をつけていくのは普通のことで、デバッグもそのうちの1つでしかない。



近年のゲーム業界

近年のゲームは開発費がとんでもなく上がっているとよく聞く。
それは、3Dを多用することになったためであり、よく取り沙汰されていたサクラ革命では開発費30億と推測している人がいる。
サクラ革命は3Dモデルをたくさん使い、それが激しく動くため、開発費が増大しているのだそうだ。
さて、キャラストも3Dモデルがたくさん使われ、戦闘の中で大きく動き回るのが似ている。
それらのことだけでも、キャラストもかなりのコストが掛かっていると思われる。
そのサクラ革命は開始約半年でサービス終了してしまった。

最近は、原神のような開発費100億と推測されているオープンワールドのゲームや女の子がかわいいウマ娘のようなゲームが大人気だ。
キャラストがこれらのゲームに食い下がれる存在ではないが、キャラストなりの良さは現実に存在している。
そもそも、MMORPGというジャンル自体が下火なのだから、キャラストが先のゲームのような人気を博すことは難しい。
だが、キャラストはMMORPGとソシャゲをうまく組み合わせた意欲的なゲームだとも思う。
キャラストは今までにないMMORPGゆえ、色々と手探りで開発していることは間違いない。
色々なゲームが栄枯盛衰している中、生き残りをかけて戦っている。
僕としては、こういったゲームだからこそバグやバランス調整も含めて色々あると思うし、応援したいと思っている。
キャラストだけを見ていたらわからないことも多くあるはずだ。



最後に

キャラストでバグが多いのは、手探りゆえに挑戦している証だと思っている。
(というか、キャラストが他のゲームに比べてバグが多いのか客観的に断言することが出来ない。正直、MMORPGかつ3Dゲームとしては少ないと感じている)
実際に、僕のやっている別のMMORPG(ラグナロクオンライン)ではバグはそこまで増えないが、減っていないので結果的に増えている。
キャラストは確かに毎アプデごとにバグが増えているが、同時にちゃんと減っている。
これは、ラグナロクオンラインはほとんど開発やアップデートを行っておらず、キャラストでは盛んに行っていることを示している。
色々異論はあると思うが、挑戦をやめたゲームが生き残れるほど甘い時代ではなくなったのは事実だと思う。

僕も不具合を見つけたら報告するし、対応がひどいようなら批判もする。
しかし、複数の人が見ている場でやるのは、だめとは言わないがリスクがあることを理解して欲しい。
その批判はもしかしたら勘違いかもしれないし、言っても意味がない事だったりする可能性がある。
実際に、旅日誌における批判的な意見の中には、個人的に見当外れだと感じるものがたくさんある。
そして逆に、批判を表に出すことで、他のユーザーのネガティブな感情を確実に増大させる。
そういったネガティブな感情が増大することで、ゲームがサービス終了することもよくある。
今炎上中のメンタリストDaiGoが言っていたことであり、自身で証明してしまったことでもあるが、ネガティブな情報ほど広まりやすく、ポジティブな情報はそれに比べたら伝播しにくい。
運営を旅日誌などで批判することで、多くの人に広めたり運営に無視されないようにしたい気持ちがあるのもわかるし、それが結果的に成功する場合も多い。
だが、逆に他者のゲームを楽しむ心を奪い、ゲームの寿命自体が短くしてしまうこともあり、そういったリスクも無視できない。
リスクをあえて取ると言うならば別に構わないが、リスクなど無いと考えている人がいるならばちゃんと考えて欲しい。
正直、僕の印象だとリスクをとる必要があるほどキャラストの開発・運営がやばいとは到底思えないが、批判を批判するというリスクは取らないとやばいとは思っている。

そして、何事も信賞必罰、アメとムチが大事だと思う。
キャラストの開発・運営を批判するのは良いが、ちゃんと良いところを褒めているか?ありがとうと表現しているか?
バグを批判した人は、それが直されたときに感謝したか? 直されて当然という態度をとっていないか?
楽しんでいるのは自分や仲間のおかげで、楽しめないのは運営のせいという不公平なことをしていないか?
直されて当然という考えは確かに間違っていないが、そんなこと続ければゲームの状況はどんどん悪くなるだけ、状況を良くするために批判しているのではないのか?
褒めるべきところがないと言う人は、良いところが見えないならば悪いところも本当は見えてないのではないか?



この件も含めてだけど、他にも色々あって鬱なので、コメントは出来ないようにしておく。
書き捨てとなってしまうが、どうかご理解の程をお願いしたい。


ジンリン

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