ルキオンの旅日誌

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慢性的金欠。これは事件だ 1

ポワトト「どうやら僕の出番のようだね
メラ「お呼びじゃないわ

「遠慮することはない。さあ、事件の話を聞かせてもらおうか
「・・・・・・。本格的にキャラバンの強化を始めたらゴールドがいくらあっても足りないのよ。わかったらアルバイトでも何でもして稼いできてくれないかしら
「ふむふむ、なるほど。確かに僕の灰色の脳細胞も金策には役立たないかもしれない。だが、どうやら別の匂いが僕の鼻をくすぐっているようだ。そう、事件の匂いがね
「は?
「毎日拾いに行っている山のような金塊の売り上げが、本当に強化だけで消費されているのだろうか?
「・・・・・・まぁ、不思議といえば不思議な気はするけど・・・・・・まさか

「気付いたようだね。何者かによる横領、その疑いがあるというわけさ!

「・・・・・・本当だとしたら確かに事件と言っていいでしょうね。それで犯人は誰なの? 火炙りにして今夜のスープの具にしてあげるわ
「おおお落ち着いてくれたまえ。まだ可能性の段階だ。だが何人か目星は付く。さっそく調査に当たってみよう
 まずはいかにも優雅な生活を送っている、彼のところだ

ラスベル「ごきげんよう。ポワトトにメラ
「ハロー、ラスベル
「こんにちは
「珍しい組み合わせだね。ポワトトはまた利きワインに挑戦かい? 当たった試しはないが君の推理は聞いていて退屈しないから余興として悪くはない
「本当、ずいぶんと優雅なご様子ね。ポワトトも一枚噛んでいるようだけど
「いやいやいや誤解だ。ちょっと下がっていてくれ。あー、それよりラスベル。ずいぶんいい椅子に座っているね
「わかるかい? ドワーフの職人に特注した最高級の安楽椅子さ。おやそんな目で見るなよ。仕方ない、少しだけなら席を譲ろう。どうぞ、お座り
「本当か!? ちょっと憧れていたんだ、安楽椅子探偵って!
「ポワトト
「いやや、冗談だって。あーラスベル、単刀直入に訊こう。

「その費用は、いったいどこから出したのかな?


この金鉱の主、紙巻と葉巻を二本同時に咥えている。匂うな・・・・・・

ルキオン

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