Victoryの旅日誌

公開

ProjectーVー  ~希少石採掘にかけた者たち~


過去20回のダンジョン探索を行ったにも関わらず、希少石を発見できなかった、Victoryキャラバン隊・・・


アデルは言った
「このままじゃ終われない」と・・・

セシリオもそれに応えるように呟いた。
「まだチケットは8枚残っている!!」
ルカ、セリオもそれに同調するように、黙って頷いた。

ガルムは言う
「オークはこんなことぐらいでは、諦めない」のだと・・・

タタリスはそんな彼らを静かに見守っているかの様に見えた・・・

だが、タタリスには絶対に口には出せない思いが込み上げてきた・・・
「明日、明後日のチケット配布2枚を合わせて、合計30週・・・」

「このまま希少石が出なければ、ネタになる!!」

「きっと、美味しいはずだ!!」と・・・

美味しい・・・何がどう、誰の為に美味しいのか・・・?
ふと、タタリスの脳裏をよぎったが、タタリスの感性はそう彼に訴えかけているのであった・・・


Victoryキャラバン隊の希少石採掘は続いた・・・
今手元に残ってるチケットは、8枚・・・
周回する度に、沸いてくる異形のビースト達、そして立ちはだかる柵の数々・・・

今までの20週とは違い誰も弱音を吐くことも無く、真摯にダンジョンへと向き合った。
採掘できる鉱石の数も変わらず3個なのだが、彼らはそれを慎重に・・・そして確実に数え採取していくのだった・・・

「まただ・・・また出ない・・・」
誰もがそう思った・・・しかし、それを決して口に出すわけでもなく、悲観する様子さえも表情に出さないようにしていたのだった。

が、しかし・・・

そのことが返って、キャラバン内の空気を重くしていった・・・
手元にあった、8枚のチケットが消えていく・・・
2枚・・・5枚と・・・

そして、最後の8枚目を使う時がとうとうやってきた・・・
ここまで、希少石の採掘は・・・

ゼロである・・・


アデル・セシリオの目はまだ死んでいない・・・
ルカ、セリオの顔には焦燥感が伺えるが、それを出さないようにしているのが、手に取るよう分かる・・・彼らも頑張っているのだ・・・
ガルムは呟く・・・
「突き進むだけだ」と・・・

一人、離れたところから目の輝きを抑えんばかりに動くものが居る・・・
タタリスだった・・・
皆の希望とは違う希望に彼は飢えを感じ始めていた・・・
彼の大きな瞳の奥の輝きは、周回を重ねるごとに増していっていたのだった。

しかし、他の者にはその瞳の輝きが、違うように映っていた・・・

タタリスも諦めてはいない!!


皮肉にも、タタリスの大きな瞳の輝きは、彼の持つ願望とは裏腹に、キャラバン内を静かに鼓舞するものとなっていたのであった・・・


そして、手持ちのチケットを使い切った・・・

これまでの、27週のダンジョンで、行程は慣れたものになっていた。

この週でこそ・・・

何度、そう考えたのであろう・・・
そして何度、この期待に裏切られて来たのであろう・・・


そして、28週目は終わった

希少石は無かった・・・

誰も諦めも、悔しさも口には出さない・・・
何故なら、まだ明日、明後日のチケット配布に希望があるからだった・・・
ここまで来れば、全てのチケットを消化するのみ!!
皆、堅く心に誓っていた・・・そう、タタリスさえも・・・


あと2週・・・あと2週だ!!
タタリスの表に出すことの出来ない興奮は高まっていくのであった・・・




Victory

コメント

1

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ことら

ID: 2qwrpvm6y5tj

タタリスくんの性格好きw

2

イアルの冒険者

黒猫の名は夜

ID: mcgkixj96cka

FF外より失礼しまーすw
私も現在0個です…
美味しいネタと割り切れる所、素敵ですwww

3

ttr元祖の元祖

ID: fkeea4d8hzj5

ヴィクさんの物欲センサーが唸るぅうううう