記録者:フィロメナ
良いお天気だったので、お散歩も兼ねて、仲良くなったマンドラゴラとフィールドワーク。
マンドラゴラには、〝リザ〟という名をつけました。異国の言葉で、〝根〟という意味です。特に、ガジュマルやパキラなどのような、塊根の根を意味するようです。
ラナスク平野を歩き回っている途中で、キタエットルに出会いました。
「わぁ……すごい背筋ですねぇ」
「きゅー!」
リザさんは、感嘆したように大きく腕を広げていました。
ビーストが見ても、迫力あるようです。
「ムフン?」
「ムフン?」
私たちが鍛え上げられた筋肉に見惚れていると、キタエットルがその視線に気づいて、こちらにのしのしと近づいて来ました。
「きゅっ、きゅー!」
「フフーン」
ビースト同士の言葉はわかりませんが、何やら対話しているようであることは感じ取れます。
〝すごい筋肉だね〜!〟
〝おぅ、存分に眺めてけや。ふぬぅっ(マッスルアピール)〟
想像するに、きっとこんな会話が交わされていることでしょう。
キタエットルは自慢の筋肉を褒められて、ご機嫌なようでした。
二体のビーストたちは、しばらく楽しそうに戯れていました。
二体のビーストたちは、しばらく楽しそうに戯れていました。
「リザさん、そろそろお暇しましょうか」
「きゅぅ〜」
声をかけると、ちょっと寂しそうでしたね。
「キタエットルさん、また遊んであげてくださいね」
伝わるかどうかはわかりませんが、声をかけてみました。
「ムフン!」
マッスルアピールをしながら、力強い返事をしてくれたので、わかってくれたのかなと思います。
キタエットルと別れた後、夢中になって周辺の植物たちを調べていたら、すっかり遅くなってしまいました。
そろそろキャラバンに戻ろうかな、という時、リザさんが夜にしか採れない鉱石を見つけてご満悦のようでした。
「見つけてくださって、ありがとう。……あら?」
「見つけてくださって、ありがとう。……あら?」
近くまで寄ったとき、豊かな葉っぱの間から、可憐な花が覗いていました。
「リザさん、可愛いお花が咲きましたねぇ!」
「リザさん、可愛いお花が咲きましたねぇ!」
「きゅぅ♪」
花がついたことを指摘されて、嬉しそうな声を上げました。
「今日はたくさん歩きましたね〜」
キャラバンに戻ってから、リザさんの脚(根っこ?)を綺麗な精製水で洗ってあげました。
草の多いところを歩きましたが、陽射しが強かったのか、少し乾燥して傷んでいました。
「痛くないですか? うーん……あなたは長時間歩かないほうがいいのかな」
「きゅぅ……?」
タライの中で水をかけてあげながら話しかけると、シュンと項垂れてしまいました。
「あ、今はね」
慌てて言葉を継ぎ足すと、しおれた葉っぱがピンと戻りました。
「もう少し成長したら、木質化するかなあって思ったんです。それまでは、様子を見ながら、少しずつ歩きましょうね」
「きゅっ!」
植物のビーストなので、外に出たがることが多いです。
キャラバンの中は、魔法で適度な環境が保たれていますが、自然の風を感じたいようです。
こればかりは、魔法ではどうにもできない問題ですね。
水を取り替えると、マンドラゴラはタライの中でリラックスした表情を浮かべ、昼間よりも葉っぱがピンとなったようでした。
(出歩く時は、霧吹きを持ち歩いたほうがいいかしら……)
高温多湿を嫌う特性があるようですが、普通の植物よりは意思疎通ができるので、お世話しやすいかなと思います。
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[タリス]中の人ひと言
お読み頂き、ありがとうございます。
お読み頂き、ありがとうございます。
ビーストの中ではマンドラゴラが大好きなのです。
ペット表示で一緒にフィールドを歩いているのを見ているうちに、あの細っこい根っこの脚で、大地を走り回って傷まないのかしら?と疑問に思ったところから、こんなお話になりました。
普通の根っこじゃないから、大丈夫なのかな?
ちなみに、オフライン巡回で「仲間になったビースト」の中に、★4キタエットルがちゃっかり入っていたのには驚きました。(ラナスクではなく別の場所ですが)
「また遊ぼうぜ。どうせなら仲間に入れとくれ(ムッフーン)」って感じでしょうか。
マジでついて来たんかいっ、と思わずツッコミを入れてしまったほどです。
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