蒼刀の旅日誌

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懐かしき物語(長文ですし、中身のない旅日誌です)


エミリー
《あのあたりが「てんびん座」ですか。ふたつの皿と竿だと言われれば、そのようにも見えますね》
レーナ
あら、エミリー。 星座を探しているの?
エミリー
《ええ、冊子をいただきまして。せっかくですから見つけてみようかと》
フォルク
こう星がよく見えると、かえって大変じゃありませんか?
エミリー
《ふふ、そうですね》
エミリー
《とはいえ、星座に用いられるのは明るい星が多いですから》
エミリー
《目安となる星さえ見つけて、そこから周辺を探していけば何とか》
エミリー
《たとえば「てんびん座」の場合でしたら、「さそり座」のアンタレスと、「おとめ座」のスピカが目印ですね》
アルフレッド
ふむ……。その間にある斜めの台形が、「てんびん座」の竿と吊紐になるわけか。
ディラン
うーん。 てんびんの皿にあたる星は、他より暗くてわかりづらいな。
フォルク
それにしても、よく夜空を八十八ヶ所にも区分けして、それぞれ名前をつけたものです。
フォルク
ずいぶん長いこと、一年を通じての星の位置を観察してきたんでしょうね。
エミリー
《それだけの心と時間の余裕があった。羨ましく思います》
レーナ
エミリー?
エミリー
《私は、いままでこんなにゆったりと夜空を見上げたことがありませんでした》
エミリー
《ウォルリック王のこと、ヴァーミッドのこと、父や妹のこと、そしてヴァルメルのこと……》
エミリー
《常に地上の、それも目先の争いごとばかりに気を取られていたような気がします》
ディラン
それは……でもさ。王や貴族ってのはそういうもんだろ。
ディラン
うちのクソオヤジだって、星なんか見てるのは夜戦の訓練してる時くらいだしな。
アルフレッド
戦える我々が、常に目を光らせていなければ。騎士として、常に意識していることです。
アルフレッド
いざ何かがあった時、星に気を取られて間に合いませんでした。そんな言い訳ができる身分ではない。
エミリー
《・・・・・・・・・・》
フォルク
僕たちはずっとフォルカ村にいて、王様が大変なことになってるなんて夢にも思っていませんでした。
フォルク
エミリーは、ずっとその渦中、それも真ん中にいたんでしょう?星を見る余裕がなくても仕方ないのでは。
エミリー
《そう言ってもらえると、少し気が楽になります。ありがとう、フォルク》
エミリー
《ところで ……》
エミリー
《皆さん、「てんびん座」の由来をご存知ですか?》
レーナ
少しだけなら。正義を司る女神が持っていたのよね。アストライアだっけ?
エミリー
《はい。神話の時代、地上は平穏無事で争いなどほとんどなかったそうです》
エミリー
《アストライアの天秤は、魂の善悪を量って悪人を冥界に送るためのものでしたが――》
エミリー
《当時は、その皿が悪に傾く者はほとんどいなかったとか》
エミリー
《しかし、とある女性が災いの詰まった箱を開いてしまったことで人の心に悪が増えていった》
エミリー
《ちょうどあのように》
レーナ
え?
盗賊ボス
おうおう、おめぇら!得物の手入れは十分か!?
盗賊
へい、お頭!得物も気合もバッチリでさ!
盗賊ボス
よぉし、今日の仕事は手当たり次第だ!ここまで夜が明るけりゃ、獲物の懐を探るのもはかどるってもんよ!
盗賊ボス
行くぞ!!
盗賊
おうっ!!
アルフレッド
……盗賊か。ずいぶんと威勢のいいことだ。
ディラン
ちぇっ。せっかく平和な気分で星を見てたのに。台無しにされた気分だな!
盗賊
おっ、お頭!
盗賊
どいつもこいつ、いい服着てやがる。行きがけの駄賃に身ぐるみ剥いでやりましょうや!
盗賊ボス
よぉし、仕事の前の肩慣らしだ!野郎ども、やっちまえ!!
エミリー
《ディラン王子。騎士アルフレッド。公的な立場に戻れば、こうして肩を並べて語り合える間柄ではありませんが..…》
エミリー
《あのような輩に、この地とこの星空を穢されるのは我慢がなりません》
エミリー
《あの無頼の輩を誅するのに、しばし、ご助力いただけますか?》




騎士マイロ
そら、キリキリ歩け!
盗賊
ち、ちくしょうっ!
盗賊ボス
いてててて、なまっちろい貴族どもと思って甘く見てたぜ….…!
騎士マイロ
お疲れさまでした、アルフレッド様。こいつらは我々の方で牢に叩き込んでおきますので。
エミリー
《白爪の皆にはお手数でしょうが、よしなにお願いします》
騎士マイロ
ははっ!お任せください!
ディラン
……なあ、ひとついいか?
エミリー
《はい?》
ディラン
さっき、途中まで言ってたろ。災いの箱がどうとかって。その後はどうなったんだ?
エミリー
《ええ。その後、神々は悪に傾いた人間たちを見捨てて地上を去ったと》
エミリー
《アストライアだけが、最後まで人を信じて地上に留まっていましたが、彼女もまた去って行ったといいます》
フォルク
つまり、僕たちは正義の神様に見捨てられたっきりと。救いのないお話ですね。
エミリー
《そうとも限らない、と私は思います》
レーナ
というと?
エミリー
《私たちは、アストレイアとその天秤を知っているのですから》



皆さま、なんのストーリーかご存知でしょうか!そう!阿智村コラボのエミリー様のストーリーです!
スマホのメモ帳を開いていたらこんなものを見つけてしまって、、、、おいおい、、、エミリー過激派すぎるやろ、、、、と。一応のっけとこうと。

救いのない話だとフォルクは言っていたけれど、救いがないこと自体が救いなのではないかと。エミリー様のその考え方、現代文のテストで出ました_:(´ཀ`」 ∠):
坂○安吾の作品で、、、言っていいのかわかりませんが、、「○学のふるさと」という小論ですね、、、はっきりいって好きではなく、まあ、、面白いなと思いました!

早くエミリー様のストーリーでないかな、、、切望、、、、、


蒼刀

コメント

1

大黒天ブラジャー

ID: i4mhjijj4vnv

最後まで読んで創作だったらどうしようと勝手にドキドキしてしまいました(^_^;)
阿智行けそうもないので感謝です!

エミリー様の物語早く進んでほしぃです( *´艸`)

2

老舗人

蒼刀

ID: eevqhhf46tfy

>> 1
(*´Д`*)私も創作であって欲しかったです笑笑

阿智村イベは綺麗なのでそれは残念ですね、、、、載せようか迷いましたが、載せてよかったです!
エミリー様、動乱の渦中にいるので楽しみで楽しみでしょうがないですよね!

3

大黒天ブラジャー

ID: i4mhjijj4vnv

>> 2
フフフ(( *´艸)

また歴史の話書いて下さい!
楽しみにしてます( `・∀・´)ノ

禁止されてる日本史でも嬉しいです笑

4

老舗人

蒼刀

ID: eevqhhf46tfy

>> 3
Σ੧(❛□❛✿)いつのまにか、、、、!
そういっていただけるなら、また書いてみようと思います!日本史は、、、ワコクしか繋がりがありませんな、、笑笑!

5

1000いいね達成

キングベル

ID: hcc46qssbhf7

なかなか良い話でした\(^o^)/

スマホのゲームだとストーリーは全部スキップしがちですが、キャラストはしっかり読んでます笑

6

老舗人

蒼刀

ID: eevqhhf46tfy

>> 5
いい話ですよね!色々な騎士団が混ざっているのはすごい感慨深いです!

キャラストのストーリーは深いし面白いので飛ばせません!!