夜明け、ルヴイラの尾根。
窓の青さに目を覚まして、キャラバンを飛び出します。
そこは、まるで別の世界のようでした。
虫の羽音すら聞こえない、空気が凍った静けさの中。
ちらり、ちらり、とラロアの花が動いて、音もなく風が駆けてきます。ふっ、とそちらを見た鼻先を、冷たさが駆け上って涙が出ます。
滲んだ視界を染める、青。雲も、木も、キャラバンも、全てが青に溺れています。
空がすっかり黄金色になり、テントウムシの柔らかな羽音が空気を震わせる頃、ようやく息ができました。
そのときの光景が神のものか、自然のものか、私には分かりません。分かるのは、この光景に心を奪われたこと。もう、旅を、やめられないことです。
コメント
1
ai.
ID: ypwvfehi3zid
以前の旅日誌全て読んできました😊
今回のはとりわけ美しい文章ですね、風景が思い浮かびました😌
続き楽しみにしてます✨
2
アーリア
ID: zqcj8g8fvq5f
文章が素敵❤️(*≧∀≦*)❤️やっぱりキャラストは風景が素敵やの〜。
3
トール
ID: r45h8kyftn32
そう、旅は続けるものです。
どのような形であれ、そこに何があろうとも。
次は、何日目を読ませてもらえるのか楽しみです。
4
ハシバミ
ID: 7unn9vjm7m4d
>> 1
ありがとうございます!
今から活動を停止しますが、もしまたキャラバンストーリーズに戻った暁には、ゆっくり続きを書こうと思います。
5
ハシバミ
ID: 7unn9vjm7m4d
>> 2
ありがとうございます。
心を奪われた風景を文章にしてみました。アーリアさんも、素敵な瞬間に出会えるといいですね。
6
ハシバミ
ID: 7unn9vjm7m4d
>> 3
ありがとうございます。
次は何年後になるか分かりません。それまでは、現実世界の旅と冒険に身を投じることにします。
いつか、続きをあなたのもとへ。