ハシバミの旅日誌

公開

キャラバンの旅 20日目

夜明け、ルヴイラの尾根。
窓の青さに目を覚まして、キャラバンを飛び出します。

そこは、まるで別の世界のようでした。
虫の羽音すら聞こえない、空気が凍った静けさの中。
ちらり、ちらり、とラロアの花が動いて、音もなく風が駆けてきます。ふっ、とそちらを見た鼻先を、冷たさが駆け上って涙が出ます。
滲んだ視界を染める、青。雲も、木も、キャラバンも、全てが青に溺れています。
空がすっかり黄金色になり、テントウムシの柔らかな羽音が空気を震わせる頃、ようやく息ができました。



そのときの光景が神のものか、自然のものか、私には分かりません。分かるのは、この光景に心を奪われたこと。もう、旅を、やめられないことです。

ハシバミ

コメント

1

ai.

ID: ypwvfehi3zid

以前の旅日誌全て読んできました😊

今回のはとりわけ美しい文章ですね、風景が思い浮かびました😌

続き楽しみにしてます✨

2

1000いいね達成

アーリア

ID: zqcj8g8fvq5f

文章が素敵❤️(*≧∀≦*)❤️やっぱりキャラストは風景が素敵やの〜。

3

イアルの冒険者

トール

ID: r45h8kyftn32

そう、旅は続けるものです。
どのような形であれ、そこに何があろうとも。

次は、何日目を読ませてもらえるのか楽しみです。

4

ハシバミ

ID: 7unn9vjm7m4d

>> 1
ありがとうございます!
今から活動を停止しますが、もしまたキャラバンストーリーズに戻った暁には、ゆっくり続きを書こうと思います。

5

ハシバミ

ID: 7unn9vjm7m4d

>> 2
ありがとうございます。
心を奪われた風景を文章にしてみました。アーリアさんも、素敵な瞬間に出会えるといいですね。

6

ハシバミ

ID: 7unn9vjm7m4d

>> 3
ありがとうございます。
次は何年後になるか分かりません。それまでは、現実世界の旅と冒険に身を投じることにします。

いつか、続きをあなたのもとへ。