リアルド「……と、してはどうかと思うのですよ」
ディラン「どういうことだ?」
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「例えば、ここにいるコグマ。こちらを進化させるにあたって、グリズリーのアニマを一定数消費することで、グリズリーへの突然変異を100%起こせるようにできないか、と。
「ほう。ヒーローの解放を考えれば、それほど突飛な発想ではないな。
「そうでしょう? 突然変異や、高ランクなビーストのテイムのように、確率の壁が厚いシステムは、徒労感や絶望感との闘いになってしまいがちです。アニマ消費で変異確定とすれば、ある程度それらを緩和することができるでしょう。強敵のアニマがそれだけ集まるほど狩っているのなら、むしろテイムできていないことのほうが理不尽といってよいのではないでしょうか!?
「妙に熱がこもってるな、そなたらしくもない。だが待て、ビーストのアニマはギルドで募集もできるだろう。いくら数を持っていても主人たる資格の証明にはならないんじゃないか?
「運も実力のうちならば、人徳や人脈も実力のうちと言っていいのではないかと。
「いよいよ無茶なことを言い出したな。何がお前をそこまで駆り立てる?
「正直、グリズリーの肉は少々食傷気味でして……
「……ああ、ものすごく納得した。
「いったい何百頭狩ったことでしょうか……? もうあの獣の断末魔が耳から離れません……。
「うつろな目をして言うのはやめろ。言いたいことはよくわかった。実現した暁には、我が乗獣グラムストリームも大いなる進化を遂げることだろう。
「では、殿下……!
「うむ。研究に取り組むがよい。
「はい。ではこちらが必要な資金と工数となります。
「よくわからん。よきにはからえ。
「ありがたきお言葉。さっそく取り掛かります。
グラムストリームがこれくらいでっかく変異すれば……勝てる!
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