タニャↀωↀの旅日誌

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アッザリアとヴィンガのストーリー


撃っているのは自分なのに「撃てぇ!!」と言っているアッザリア。
その理由が、今、解き明かされる!!

・・・その昔・・・
 
アッザリアとヴィンガは隣に住んでいた。そう、二人は幼馴染なのである。
これは、アッザリア5歳、ヴィンガ3歳の頃のお話である。

ギュリアム夫妻は、「魔法の壺少女」になってもらうことを期待して、 アッザリアに魔法の壺を与えた。よく遊んでくれるお隣のヴィンガ君には、お土産の大砲を与えたのである。

最初、アッザリアは壺を投げて遊んでいたが、腕力がなかったため、壺の射程に入ってしまい、たびたび壺の中に吸い込まれていた。いわゆる「壺事故」である。その都度、箸でつまんで壺から出してもらうのだが、幼きヴィンガ君は箸がうまく使えず、アッザリアは壺の中でひもじい思いをして、つまみ出されるのを待っていたのであった。

まもなくして、アッザリアはヴィンガの大砲で遊び始めた。ただ大砲を撃つのは面白くないので、壺を放つことにした。ヴィンガに壺をセットさせ、 ヴィンガに壺を撃たせ、ヴィンガに壺を取りに行かせる・・・。この遊びをひたすら繰り返したのである。アッザリアは、これなら壺事故も起こらないし、「我ながら良いアイデア」と満足していたのである。

しかし、時折、ヴィンガが大砲の近くで転び、壺を放り出してしまうことがあった。そんなときは、二人とも壺に吸い込まれてしまい、どうしようもなくなってしまうのであった。そこで登場するのがマリーである。

ヴィンガとは仲のよくなかったマリーだが、庭に壺と大砲が置きっぱなしになっているのを見かけると、壺に声をかけてやるくらいの優しさは持っていた。

「マリー様とお呼び!!」 マリー

「マリー様ァァァ!!」  ヴィンガとアッザリア

マリーは、主従関係を明確にし、満足したところで、つまみ出してあげるのであった。ああ、なんて優しいマリー様。

こうして、アッザリアとヴィンガは時々マリーに助けてもらいながらも、壺を撃つ遊びを繰り返し、日々成長していったのである。


・・・現在・・・

式典などで、アッザリアが市民の前に出ると、まれに、ギュリアムの子供が
「アッザリア様、 撃てぇ!! って言ってるけど、撃ってるの自分じゃん!!」
などと言ってしまうことがある。

これを防ぐために、何らかの言い訳をつけ、護衛の兵士が脇から点火するフリをするようにしているのである。白爪も大変だ。

なお、キャラバンの仲間にはヴィンガが口止めしてあるので、問題はない。


タニャↀωↀ

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