フォドリックの旅日誌

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アンズダケ懲役刑


タイトルに深い意味は無い
性格的にどんなゲームでもサブクエまで割とキッチリこなすのだが、キャラストだけは報酬がよくないサブクエは全て放置している。その発端となったのがドワーフ領の悪名高きアンズダケ収集クエストだからそうしただけである。


軽い気持ちでアンズダケ収集を引き受けたフォドリックは戦慄した。
その必要量。その自生数の少なさ。ヒューマンとして生まれ、最初の転生にドワーフを選択した彼はそのクエストの過酷さに一人震えたのだ。
「イアルの世界ではこの先こんな重労働が山ほど待ち受けているんだろうか?」 


多少大げさか?しかしそれくらいショックなクエストだったのを覚えている。
その後クエスト欄にいつまでもアンズダケが残っている為、消す方法は無いものかと色々触っていてクエスト受注取り消しのボタンを発見し喜んだのを覚えている。


フォドリックはしばらく考えた後にわざわざワルチャで「これやる必要あんの?」と聞いた。これが彼にとって初のワルチャ発言だった。だれもが一度はやるテンプレそのまま発信もその時にやらかした。


そんな懐かしい記憶からこういうタイトルにしてみた。
だからどうした?といわれそうだが、実は本題はここからだ。
現状、アンズダケ収集はただの笑い話で済むが、笑い話にならない状況になっているものがある。
もうおわかりだろう。デイリークエストだ。

キャラクターの育成に欠かせない要素は多数ある。資金、アニマ、属性宝珠、ルーン、そして時間(=経験値、アニマタップ)である。
イアルの世界ではこれら育成要素の入手手段は厳格に区別化されている。デュエルコインでステータスルーンは買えないし、ギルドコインで属性宝珠は買えない。
(もちろん実弾とそこからもたらされるプレミアムPは別とする)

言うなら日本で生活しているのに10種類の両替も代替も聞かない全く別種の通貨を使って生活しているようなものである。

しかし、もしコインの統合が行われ、全ての要素が同一のコインで賄えるならこれほど喜ばしいことは無い。全イアルの民は自分のやりたいコンテンツだけをやってコインを稼げばいいのだ。


「よいですかな、フォドリック様。コインが統合されればもう死んだゾンビのような目でギブアップ連打をする必要はなくなるのですぞ」
力説するその声はフォドリックの耳には届いていなかった。彼の心は凍結していた。
そう、キャラバンの交換所を開けたときに右側にズラリと並んでいる10種類もの種類別タグを見た時に彼は考えることを止めたのだ。
今の彼の心にあるのは、目の前でしゃべり続けるこの髭卵を縦に割ったら中に何が入っているのだろうということだけであった。


しかしコイン統合は相当先になるか、もしくは永久にこないであろう。
細かい突っ込みだが、ハロウィンイベントのPVに「性懲りもなくコイン集めもあります」と自虐コメントを載せていたところから、やることが多ければ多いほど楽しいという日本人的錯覚にはまり込んでると思われる、
内容に関係なく仕事が忙しいほどやりがいがあるというアレだ。

タイトルに引っ掛けるならデイリー懲役刑だ。期限がないから無期刑か。


やりたくないけど、やらなきゃ手に入らないし代替の方法もない。だからやるしかないのさ・・・毎日な。ハハッ・・・!
フォドリックは焦点の定まらない目で空中を眺めながらつぶやく様に言った。
レーナとフォルクはそんなフォドリックを薄気味悪そうに眺めていた。


コイン統合がムリなら、もう望みは一つしかない。
総ウィークリー化である。
もちろん内容が煩雑になっては意味が無い。単純に今のデイリーを週一のコンテンツにして報酬を7倍にすればいいのだ。
鷲獅子の塔という先例がある。コンテンツとしては実に・・・なんと言うか・・・なんと言って言いか迷うコンテンツだが、ウィークリーコンテンツになっているという点で非常に優れている。鷲獅子コインの存在意義が不明だとしてもだ。


鷲獅子鷲獅子・・・ワシ死し・・・?
わしは死ぬ・・・?
ようやくわかったぞ。髭卵を割ったら一回り小さい髭卵が入っているんだろう。もう騙されんぞ。今度あの闇医者に解剖させよう

キャラバン内に放置されていたフォドリックの日誌


ウィークリーと言っても同じ曜日にスタートでは疲れるので、それぞれずらす。
月曜鷲獅子、火曜英雄、水曜デュエル、木曜コロシアム、金曜追憶、土曜レイド
討滅とゴルダン、経験ダンジョンが1週にチケ1枚
もちろん報酬は一回で今の7倍。ビースト装備も一度に7回抽選する。これは夢がある。
レイドは頻度はそのままで参加回数を21回を一度に全渡しする。あとは一週間で計画的に自発参加すればいい。
デュエル/コロシアムも開催時間は今と同じで参加権を最初から63回にしておく・・・といいたいが、それではギブアップ組がツラいので、63回貰うか、一週間で9回のどちらかを好きに選ぶ。9回を選択したプレイヤーは1回あたりの報酬を7倍にする。もちろんギブアップしたらスコアはその分ゴッソリ減るが、ギブアップ組はそんなこと気にしないだろう。
カーニバルも開催日数×10回を最初に全部渡す。

空いた時間に少し遊ぶ。
ゲームボーイや往年のガラケーを例に出すまでもなく、本来携帯ゲームとはそういう遊び方をするものだった。
それが端末の高性能化が進むにつれコンシューマやPCゲームに迫るほどの時間的拘束を強いられるゲームになったのは、ひとえにスマホゲーの特性を忘れてしまったかのようである。


「低品質プレゼントを100個拾って来い!?
アホか?自分で拾って来いやこのトナカイ野郎!!」
はい。たしかそう言っていました。
トナカイは放置すれば一晩で大量にゲットできると言っていましたけど、聞く耳持たない様子で・・・近くにいた子供は泣いていました。
そして別の子供は「トナカイ野郎って悪口じゃなくてそのままだよね?」って言っていました。

フォドリックがトナカイに怒号する場面を目撃したゲリスク住民の証言


それと、私自身どうも昨今の問題はPC版が出てから加速しているような気がするのだ。
操作性が最悪に近いのにリズムゲームのような操作を強いられる高難易度クエスト。
放置前提のテイム率。
 毎週あたり前のように実施される数百MBのアプデ。 
トドメは常軌を逸した拘束時間のわりにリターンがしょうもなさ過ぎるエニグマ攻略。

無事に一周年を迎えたことだし、そろそろコンテンツの最適化を検討する時期のような気がするが、どうだろうか。


ゲリスクでの騒動のあと、フォドリックの足取りははっきりしない。

そして数十年後、一人の亡者が不死街の亡者の穴倉と呼ばれる深い地下洞窟で 椎骨を積み上げた不気味な祭壇の前にたたずむフォドリックと邂逅する。


フォドリック

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