ソナーニャの旅日誌

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【難度】という用語について。よみもの


既にはびこってしまったおかしな言葉、そのひとつが “難易度”です。
この言葉は元々、体操競技の 「難しさの度合い」 【難度】という用語でした。

A難度・B難度・C難度 ・・そのあとさらに技の難度が続いていきます。
フィギュアスケートでも 「高難度ジャンプ」などの用法が普通でした。


難易度”という言葉が生まれたのは、
受験する生徒の人口が大幅に増えて受験戦争が激化した時代の予備校だといいます。
偏差値教育といわれた受験戦争、
大学入試競争率が 20倍・ 30倍は当然といった時代でした。

{偏差値 50を基準点とし、 50より上の大学は難しい。 50より下の大学は易しい}
という理窟で 【難度】といわず “難易度”の造語が予備校で生まれたらしいのね。
でもなんで 【難度】じゃいけないっていうの?

それでまあ、そんな時代に育った生徒→学生さんたちが、
偏差値教育の段階を抜け大人になっても疑問を抱かずにこの造語でいいつづけたため、
ゲームの世界やスポーツ界にまでこの造語が波及するヨウになってしまったの。


【難度】は英語では “degree of difficulty”、この中に “easy”の語は入りません。
マテリアルの 「硬さの度合い」を 【硬度】 “hardness”といいます。
これを決して “硬軟度”とはいいません。くらべてみれば、
“難易度”という言葉のおかしさが分かりますね。
「易」はなくても充分通じるんです。

字数を減らしたがる傾向の強いいまの日本人がわざわざ字数を増やしてる本当に稀な例ですね。

さらにいえば、 “難易度が高い (高難易度)”では、

難しさの度合いが高いのか、それとも、
易しさの度合いが高いのか

どうにもはっきりしませんね。
ならシンプルに 「高難度低難度」っていってほしいわね。簡単なことでしょう?


というわけで、そもそもが出来の悪い造語だったのです、 “難易度”という言葉は。
もうはびこってしまったけれどね。
できればこのことを多くの人に知っておいていただければなと思い、記しました。


ソナーニャ

コメント

1

イアルの冒険者

クー

ID: 5pfd87k6a293

さすがソニャ子ちゃん^ ^
博識だね♪