そろそろギルドについて書こうと思う。
…とは言っても今お世話になっているギルドではなく、前にいたギルドのこと。
個人的な話だし、フェルト作品のお披露目でもないので興味のない方はスルーしてください。

そのギルドは我々にとって特別だった、と少なくとも私は思っているし、今でも時々検索して自分達が抜けたギルドを眺めたりしている。
そこに並んでいるのは今はもうINしなくなったメンバーの名前だけど、彼らのことは今でも好きだし、短い間だったけど全員でわいわい活動できたのは楽しかった。

まず、ギルド名が変(オイ)なのでそこで覚えてくれた人もいるかもしれない。ギルドを作った人がメンバーの名前を入力したときに出た予測変換をそのまま使って、それに林をつけた。それがギルド名の由来。
のちにギルド名は変更できないと知って青ざめたことを覚えてる。
ギルドに変な名前を付けた初代マスターは忙しい人で、キャラストにあまり時間を割けないことはわかっていたけど、そんな中でも少しずつメンバーが増えていくのは嬉しかった。
このギルドには加入条件があって、キャラストの外側に、ある共通点を持つ人達が集まったわけなんだけど、そこは説明すると長いしややこしいので割愛…私１人の話じゃないので察してもらえればと思う。
メンバーが10人を越えた頃から、マスターがINしなくなった。多忙であることも、キャラストのように長い時間をかけて進めていくゲームが向かないことも、なんとなく分かっていたからしかたないと思った。
そしてギルド名に名前を使われたメンバーが繰り上がりでマスターになった。このことに関しては彼に同情する…が、その後ずっとマスターでいてくれたことには心から感謝している。
それからも初代マスターが作ってくれた箱庭で私達はキャラストを楽しんだ。彼が作った、ということがここのメンバーにはとても大切なことだったと私は思ってる。少しずつINする人数が減ってもそれは変わらなかった。

１年前、ずっとギルメンを引っぱってくれていたメンバーが突然去ってしまった。言葉には出さなかったけど、たぶん皆ショックを受けたんじゃないかと思う。何かと頼りにしていた私ももちろんショックだったし、少し怒ってもいた。せめて挨拶のひとつくらいしてくれても…と。
腹を立てても彼は戻ってくる訳でもなく、メンバーの半分近くが活動していない状態で。それでもずっと一緒にいるメンバーのいるギルドは居心地が良かった。
勢力戦では、色々なギルドと共闘する際に合体したチーム名が大概変な名前になること、普段交流しない他ギルドの方々と協力できることを楽しめたし、ありがたいことに他のギルドに勧誘されることも度々あった。
それでもギルドを抜けることは考えられなかった。ここにいるためにこのゲームを始めたようなものだったから。全員がINしなくなったら考えよう、くらいにしか考えていなかったんだろう。
地縛霊みたいだとよく自虐ネタに使ってたっけ。

ただ、ギルドのアクティブ人数が少なくて悔しい思いをすることもあった。ギルイベについては諦めがついていたが、エニグマ。そう、エニグマよ。
参加人数差がスコアに直結するし、どう足掻いても高順位報酬は手に入らない。加入条件のあるギルドだから人数は増やせない、減らせない。
その条件を作った初代マスターはもういないんだから、そんなもの取っ払ってギルメン募集して、INしてない人は除名すればすむ話なんだけど。
たぶんそれをしたくなかったし、できなかったんだよね。何か大事なものが失われてしまうんじゃないかと思ってた。少なくとも私は。

そんなに大事に思っていたギルドを出ることを考えたきっかけは、ある月の勢力戦。
強豪ギルドと共闘することになった。私達はざわついた。そこに初代マスターと繋がりの深い人がいることを全員が知っていたから。
その方がサービス開始からキャラストをやっていることは知っていたし、私は初期にしれっとフレンドを飛ばして、こっそり続けているのを確認しては励みにしていた。
その方は私達のギルドの成り立ちも初代マスターがINしなくなった後も私達が活動していることも知ってくれていて、なんだかとても嬉しかったしホッとしたのを覚えている。
勢力戦が終わってからしばらくして、マスターにアクティブ全員でギルドを移らないかという申し出があった、と聞かされた。初代マスターの縁者がいる、共闘したギルドからだった。

その人がいなかったら、おそらくこれまでと同様にすぐお断りしていたと思う。でも、自分がギルドに囚われすぎている自覚はあって、もしこの人の誘いを断ったら２度とここから出ることはできないのではないかとも思った。
ひと月、考える時間をもらって、私達はそれぞれ思っていることを言い合って、そして10月末に移籍をすることを決めた。

他人から見たら取るに足りない、ただの少人数ギルド。
でも私達にとっては特別なギルドだったんだよね。初代マスターを皆が好きだというのは今も変わらないし、でもその思いにしがみついていていいのか、とか。ずっと同じでいることはできないしそれぞれの生活もあるし。
ふと思い立って始めたゲームでこんな思いをするなんて考えもしなかった。

10月末の月曜の夜に、集まって全員でギルドを抜けるセレモニーをした。
１年以上前に一度だけギルドメンバー全員で集まれた場所で、私達の大事なギルドとさよならしました。
とても感情的になってしまったけど、それは他のメンバーも一緒(だと思いたい、恥ずかしいから)よね。

私達に箱庭を作ってくれた初代マスターには感謝してる。とても楽しかった。
たぶん伝えることはないと思うから、こっそりここに書いておきます。ありがとう。



涙ながらに別れたギルメンとは５分後に移籍したギルドで再会、温かく迎えてもらい、今もキャラストを楽しんでいます。
人との繋がりが魅力のキャラストだけど、それとはまた別の、ギルドみたいな入れ物と深く繫がってる人もいると思う。

少し時間が経ったから、今なら書けるかなと思って書き始めたら長くなってしまいました。
読んでくださってありがとうございました。みなさまのギルドとの良い関係と、素敵なギルドとの出会いを祈ります。

よいイアルライフを！