ポロックス「面白い仕事があると聞いてはいたけど、依頼人がライオットってのはさすがに予想外だったな」
ライオット「おらとしてもポロックスに話が行くとは思ってなかっただ。けんど、ガルス様のことだ、お考えあっての紹介だべ」
・
・
・
「そうだね。それで、どんなご注文なんだい? まさか野良着のコーディネートじゃないんだろ。クリスマスパーティー用の一張羅かな?」
「ガルス様から聞いてねぇだか? おらが着るものじゃねぇべ」
「おっと失礼。なに、キャラバンの仲間の依頼とあれば引き受けないなんて選択肢はないさ。となれば、依頼の内容も依頼人から直接聞いた方が早いだろ? 安心してくれ、格安にしておくから」
「うっかりしてるんだか、しっかりしてるんだか」
「それじゃなんだい? 大切な人への贈り物かな」
「んにゃ、そもそも人に着せるもんではねぇ」
「うん? ペット用の服とか? ……ひょっとしてライオット、ドール趣味があったりとか」
「わけのわからんことを言ってねぇで話を聞け。おらが頼んだのは畑に立てるカカシのことだ」
「KA・KA・SHIかよ!?」
「んだ。おらの畑に立てるカカシだがな。最近は害獣も凶暴化してきたもんで、何かいい知恵はねぇかと、ガルス様に相談しただよ」
「天下のジオフィートにそんな相談をするのは君くらいだろうね……。ところで、俺もう帰っていいかなぁ」
「こいつ……。まぁ話を最後まで聞け。ガルス様が言うには、害獣を寄せないためには、人間がそばにいるのが一番、カカシはその代わりに過ぎねぇと」
「そりゃあそうだね。そうか、わかった! 俺のコーディネートするデザイナーズKA・KA・SHIで、街道を行く人を畑のそばに釘付けにしろってことか!」
「そこまでの無茶は言わねぇだ」
「無茶ってなんだよ!?」
「珍奇なカカシなら人も寄ってくるべ。ただ、やりようによってはポロックスの名前を売ることもできるかもしれねぇ」
「ほほう。さしずめポロックスコーディネートのオープン・ストリート・ディスプレイだね。いいさ、やってみようじゃないか」
「やる気を出してくれるのはいいけど、おらの畑はそこまで街道に迫ってるわけでもねぇだよ」
「そうなのかい? だったら遠くからも見えるように、カカシを通常の倍くらいに大きくしてみるってのはどうかな」
「……ほほう。それはいいかもしんねぇ。獣への威嚇効果も増すかも」
「あとは、動かないってのも芸がないな。ショータイムのモデルみたいにゆっくり回るカカシってのはどうだい?」
「ゆっくり動くよりも、動いたり止まったりの緩急があった方がええな」
「じゃあ一定時間おきに何種類かのポーズをとる、そんなカラクリをカール辺りに作ってもらおう」
「おお……なんだか思ってもみなかったもんができそうだな」
「だろ? 俺のセンスを世間に広めるチャンスだ、展示方法にも細かくこだわるさ」
「なんでもええが、カカシだもんで、雨風や太陽に負けねぇ丈夫な生地にしてくれよ」
「おっと、対候性や紫外線対策も必須だね。ふむ、いっそ屋根を掛けられないかな」
「畑の日当たりが悪くなるのは避けてぇが、柱と屋根くらいなら妥協するべ。場所は畑の真ん中じゃなく、外の方がええな」
「そうだね。なるべく外部から見やすい場所に頼むよ。……よし、展示の形は決まった。それじゃあさっそくデザインに取り掛かろう。見ててくれ、道行く人々の目をとらえて離さない、最高のKAKASHIにしてみせるよ! そしてやがてその街道はポロックス街道とか呼ばれるようになるのさ!」
「だから畑は街道のすぐそばじゃねぇと言ってるでねっか。つくづく話を聞かん奴だな」
「わからないかい? いずれその畑のそばに新たな街道が生まれるってことさ! この俺のデザインを見に寄る人の踏み跡によってね! ブランド名はKAKASHI☆KAYOと名付けよう」
「ポロのセンスとやらを垣間見られる名前だべな」
「ポロのセンスとやらを垣間見られる名前だべな」
・
・
・
「ポロックスのカカシ、すげえ効果だべ。見ろ、毎日あんな風に人が集まってくるだ。おかげで害獣の被害も激減だべ!」
「ああ、そりゃあよかった……」
「ん、おらとしては大成功で満足だけんども……どしただ? 元気ねえべ」
「いや、KAKASHI☆KAYOブランドは大成功、注文は多数入ってきたんだけど……全部デザインや仕立てじゃなくてカカシの発注で」
「薄々そうなる気はしてただ」
「展示方法に拘り過ぎた結果、カカシとして優秀になりすぎちゃったみたいでさ。しょうがないからブランドごとヴィンガに捌いてもらったよ。……しかし本当に結構な人だかりができてるな」
「んだ。毎日通ってきてる人もいるくれぇだ」
「それはデザイナーとして冥利に尽きる気も……あれ、なんか拝んでない? ゴールドを投げてる人もいるような」
「ん? ……本当だ。なんか前に立って煽ってるやつもいるだ」
「ちょっと待ってくれ。あれって異教の神像かなんかだと思われてるんじゃないか!? よく見たら教祖っぽい奴、クレヴィスじゃん!」
「ああ! 見ようによってはなんかの祠みたいになってただな」
「うおぉい!? あれ、ほっといたら教会の異端審問官に火を掛けられるパターンじゃないか!?」
「うへぇ。撤収するしかねぇべか。カカシはどうするだ?」
「なんかもうどうでもいいや。とりあえずクレヴィスを吊るしておこうか。手を貸してくれるかい?」
コメント
1
アンジュ
ID: 238u8qgttqaj
大爆笑でした(笑)
ポロセンスが絶妙すぎて…。
ポロ、ポロのそういうとこ好きだよほんとに!
ライオットは変わらないなぁ。
安心するなぁ。(*´ω`*)
なんだか今日は日誌に夢中で、
あまり夜ゲームやらなかったです。
いえ、イベント坑道で放置はしましたが…笑
日誌の仕組みよく分かってないので、
最新のお話見逃す気しかしません( ;∀;)
でもそれはそれで楽しみがたまっていって
いいかも…ですw
おやすみなさいませ(*^▽^*)
PS
メンテ後のご心配ありがとうございました!
2
ルキオン
ID: qixngfgfxjy6
>> 1
コメントありがとうございます!
うちのへっぽこ隊員たちで笑っていただけたなら幸甚です。
さてメンテはいつ終わるのか・・・