今週の追憶は、アンギラでしたね。

あれはもう、一昨年のこと……

りっかは、わけもわからないまま、
誰もいない平野を、ただとぼとぼと歩いていました。
行けども行けども、誰も見当たりません。
同じような景色が続き、自分がどこを歩いているのかもよく分かりません。
小高い丘に体当たりし続けたり
木に向かって突進し続けたりしながら
ただひたすらに、歩いていました。

テオから天の声が降ってきます。
「りっかさーん、今どこにいるの？」
ラナスク平野ってとこみたい、と答えると、
「わかったー！行くから待っててー！！」
りっかは、誰もいない平野で、ただ待ち続けました。
せっかく愛らしいはずのお顔は無粋なゴーグルに覆われ
どこを見つめているのかも伺い知れません。
ただむやみに揺れながら、待ち続けました。

「あ、りっかさん、いたー！！」
また天の声が降ってきます。
「……？テオどこーーー？？？」
やっと人に逢える。
そう思ったりっかは走り出しました。

「わ！今ものすごいドノーマルなキャラバンが目の前を走っていったんだけど！」
……？！
「あ、りっかさん止まったー！」
…………？？？
「テオー？いるのーー？？？」
「今目の前におるよｗ」
……………………？
「……テオいないのー…」
「りっかさん、キャラバンに何にも着けてないの？」
「キャラバンに何か着けるの？」
「wwwwww」
「テオどこにいるのー…？」
「あ、りっかさん、まだ他のプレイヤー見えないのか！」
「見えるようになるのー？」
「なるよーいっぱい人いるよー」
「！！！！！！」

これが、ドワーフの女の子りっかの冒険が始まって、1週間ほど経ったある日のことでした。


（興が乗れば続くかも）