こころベーカリーの旅日誌

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謎のNPC<第6回>:ミソララ

【ニイ島イベント 30回繰返し戦闘クエスト「ミソララ」】

その夜、領主の屋敷に一匹のラットルが侵入していた。
「そっちに行ったぞ!早く捕まえて放り出せ!」
使用人たちがラットルを捕まえようと右往左往する中、眠い目をこすりながら10歳くらいの少女が寝室から顔を出す。
「うるさいわねぇ。いったい何の騒ぎ?」
「ミソララお嬢様。危険ですからお部屋へお戻りください。」
使用人の一人が慌ててミソララを部屋へ戻そうとする…が…
「ヒ~ヒッヒッヒ…見つけたよ。お前が領主の娘だね!」

突然老婆の声が響き渡ると、ラットルが魔女の姿へと変貌した。
「何者だ貴様は!」
「私はモヤイ。しがない魔法使いさ」
悪い魔女そのものといった姿の老婆に、使用人たちは警戒を強める。
「怪しいやつめ!すぐに屋敷から立ち去れ!」
「すぐに立ち去るさ。用が済んだら…ねっ!」
「ぐはぁ!」
老婆とは思えない速さと力で使用人を突き飛ばし、モヤイはミソララの前に立つ。

驚いて声も出せずにいるミソララを睨みつけるモヤイ。
「領主のやつめ、私がせっかく作ったウシガエルの石像を、この島にふさわしくないと言って壊しおったんだよ。ならば、大切な娘の石像ならお気に召すかと思ってねぇ。」
怪しい笑みを浮かべ、モヤイは呪文の詠唱を始める。
「私から領主様へのささやかなプレゼントだよ!可愛い愛娘の石像をね!!」
「きゃーーー!!」
ミソララは暗い影に包まれると、そのまま床に倒れ伏した。

あわてて使用人の一人がミソララの元に駆け寄る。
「お嬢様!大丈夫ですか?!…きさま!お嬢様に何をした!」
「なぁに、ちょいと石像になる呪いをかけただけさ。30歳の誕生日にね」
その言葉を聞き、ミソララは悲痛な声で魔女に問いかける。
「ちょっと待って、そこはふつう15歳とかじゃないの?!」
「そんなぴちぴちの若い姿で石化してやるもんかい。お肌の曲がり角を過ぎた微妙なお年頃で石像になっておしまい!」
そう言い残して、モヤイはコウモリに姿を変え去っていった。
「そんな!!なんて恐ろしい呪いなの?!」
ミソララは絶望に打ちひしがれたのであった。

それから20年の時が流れた…

「今日はマカロンを作ってみましたよ♪」
アメリアが出来立てのマカロンを差し出すが、ミソララは窓の外を眺めたまま返事がない。
「お嫌いでしたか?マカロン」
自分の作ったお菓子が口に合わないのかと心配するアメリア。
「あ…ううん、ごめんなさい。大好きよ」
慌てて返事をするミソララだが、元気がないのは一目瞭然だった。
「はぁ、もうすぐ30歳か…」
そう呟いて、また窓の外を眺める。

それを見たアメリアは、何とか元気づけようと話しを続けた。
「それにしてもお優しいお父様ですね。誕生日のお祝いに一か月間専属パティシエ付きでお菓子食べ放題なんて、うらやましいです!」
領主であるミソララの父は、30歳の誕生日を迎えるミソララのためにパティシエであるアメリアを雇ったのだ…。石になってしまう前に、思う存分お菓子が食べられるようにと…

「全然うらやましいことなんてないわ…。お父様はもう、あきらめてしまったのかしら」
何も知らないアメリアは、言葉の意味がわからず困惑する。
そんなアメリアを見て、何かを決意したようにミソララは話し始めた。
「いいわ、話してあげる。あなたとは30歳の誕生日まで一緒にいることになるんだもの。むしろ話しておくべきだわ」
そしてミソララは、20年前の出来事を語った。

「…そんな…ひどい!そんな呪い、本当にあるんですか?!」
話を聞いたアメリアは、信じられないと涙を流して泣いた。
「さぁ?本当かどうかなんて、30歳の誕生日を迎えてみなきゃわからないわ」
まるで悟りきったように話すミソララ。
「でも、おかげでこの年まで必死で若作りしたのよ。ある意味呪いに感謝よね」
やや自虐的に苦笑するミソララに、アメリアは
「ちょっとまっててください!!」
そう叫んで部屋を飛び出していった。

しばらくすると、アメリアは華奢な少女を連れて戻ってきた。
「…アメリア、そんなにひっぱったら痛い…」
少女は強引に連れてこられたらしく、とても不機嫌そうだ。
「エッダちゃん、とにかく見て!」
「見てって何を?…ちゃんと説明し……なに?これ…」
文句を言いかけたエッダだが、その表情がおびえたものに変わる。
「…とてもまがまがしい…呪い?」
エッダはミソララを見ながら、そうつぶやいた。

「わかるのね!やっぱり呪いのことならエッダちゃんね!」
アメリアは興奮しているが、エッダは不満だ。
「…褒めてるつもりかな…」
そしてあらためてミソララを見るエッダ。
「…うん、とても強力な呪い…。時限発動型…?」
「一か月後の誕生日に石化する呪いらしいの。解ける?!」
事情を説明して問うアメリアに、首を振るエッダ。
「…ううん、無理…。これは呪いを掛けたその魔女にしか解けないかも…」

エッダの言葉に反応したのはミソララ本人だった。
「お父様もそう考えたわ。それで魔女モヤイを世界中探しまわった…20年間よ…。でもいまだに見つからない」
「そうですか」
アメリアはがっかりしたように表情を曇らせる…が、
「…ううん、近くにいるよ」
予想外の言葉が、エッダの口から洩れた。

「…呪いと同じ波動を感じる…。ものすごく近い…この呪いをかけた人は、この島にいる…」
「エッダちゃんわかるの?!」
アメリアはまた興奮してエッダの肩をつかんだ。
「…だから痛い…近くにいるのはわかるけど、場所の特定は無理…」
またまた意気消沈するアメリア。
「お父様もずっと探し続けてるのよ。でもこんな狭い島で隠れる場所なんて……あっ」
ミソララはそこで、あることに思い当たった。

「…ビーストだ…」
意味が分からず、アメリアとエッダは目を合わせる。
かまわずミソララは続けた。
「ビーストよ!モヤイはラットルに化けて屋敷にもぐりこんだ。そしてコウモリの姿で屋敷から出て行ったのよ!」
「ビーストに化けてるってことですか?」
アメリアが確認する。つまり島のどこかにビーストとしてモヤイは隠れているということか。

「でもそれじゃなおさら探しようがないわ」
あきらめたようにミソララが言う…しかし。
「全部叩きのめせばいいんです!!」
アメリアがすました顔で怖いことを言う。
「え?島のビースト全部?無理でしょ?」

島には無数のビーストがいる。100匹や200匹どころではない。
ミソララにとっては1匹でも逃げ出すほどだが…
「できます!」
「…うん、そうだね…できるよ…」
アメリアとエッダは顔を見合わせてうなずくと、声をそろえてこう言った。
『キャラバン乗りを、甘く見ないで!』

こうして、ミソララは30匹ビースト退治をキャラバンに依頼するのであった。
ただし、他の人たちには呪いのことは伏せて。
もし失敗しても、誰も悲しませたくない。
それはミソララのやさしさだった…


注意:この妄想はキャラスト本編とは一切関係ありません。

これ、いったい何人のフォロワーさんが最後まで読んでくれるんだろう…(笑)

こころベーカリー

コメント

1

ビギナー

〓ふぅか〓

ID: i46vdg68vvh2

お肌の曲がり角を過ぎてからの石化…!
お、恐ろしすぎる(・Д・)

ミソララ
『ふふ…いっそこのまま美魔女の像として後世まで残るのも悪くないかもね…』

しかし女性の年齢ネタとはエイミングのスタッフのオジサン度が滲み出るクエストだことwww

2

圧倒的支持率

こころベーカリー

ID: gz23bzbmhrw5

>> 1
> エイミングのスタッフのオジサン度が滲み出るクエストだことwww

ほんとよね。
「どうしたのこの子!」
って本気で思ったもん(笑)

きっと失恋したか不治の病かどっちかかと思って、こなネタができましたw

もうね、最後まで読んでくれただけで感謝だよ!
ありがとう♪

3

lune~ルーン

ID: axi8cj95j3uz

さすがです~!!
ミソララさんが急に深窓のお嬢様に見えてきましたよ♪

そして、わきを固めるキャストたちw
やっぱ、アメリア様は物語の彩に欠かせないね( ^ω^)b

この発言は削除されました(2023/03/11 02:00) 4

5

圧倒的支持率

こころベーカリー

ID: gz23bzbmhrw5

>> 3
ありがとうございます!

アメリアとエッダって、あんまり絡んだことないから、敬語かタメ口かちょっと悩んじゃったw
その辺は、公式と違っても大目に見てください(笑)

ミソララお嬢様をたすけてあげてね♪

6

圧倒的支持率

こころベーカリー

ID: gz23bzbmhrw5

>> 4
楽しんでもらえてよかった♪

今回長くなってごめんね。
やっぱり依頼主が可愛いと気合入るよねw

がんばって、ミソララお嬢様を救ってあげてください!
いつもコメントありがとう♪

7

旅日誌ビギナー

てんちょ

ID: hhw5h4ea6xfc

一つのサブクエで、ここまでの妄想が膨らむとは…wさすがです!
もうキャラストが楽しくて仕方ないですね♪

この妄想にはオチがあるのかな?
ワクワク(´艸`*)

8

圧倒的支持率

こころベーカリー

ID: gz23bzbmhrw5

>> 7
もうね、やりたい放題です(笑)

オチ?オチは考えてなかったですけど…
せっかくここまで気合い入れて書いたから、後日談も書いた方がいいかな?

検討しておきますw
ありがとうございます♪