部下Ａ：大変ですチーフ！
チーフ：どうした。
部下Ａ：ニイ島の塔9階のバラウールが暴走しました！
チーフ：なんだと？！
部下Ａ：現在も56人のプレイヤーが挑戦していますが…ひどい有様です…強すぎる…

チーフ：バラウールに弱体化プログラムを実行しろ！
部下Ｂ：…ダメです！プログラム受け付けません！
チーフ：ばかな！どうなっている！
部下Ｂ：バラウール自身が塔内に独自のセグメントを構築！地下からセキュアポートを使ってパワーを吸収しています！
チーフ：地下からだと？塔に地下は設定していないはずだ。すぐに調べろ！
部下Ｂ：はっ！

部下Ａ：…塔9階に挑戦したプレイヤーはいずれもミッション失敗…全滅です。
チーフ：くっ…だから私は反対したのだ！自立型高度演算ビーストの実戦投入などと…上層部はいったい何を考えているんだ。
部下Ｂ：チーフ！塔の地下に広大なフィールドを発見！
チーフ：なんだと？メインスクリーンに映せ！
部下Ｂ：はっ！
チーフ：…いったいなんだこれは！
部下Ａ：こ、これは…しかし、いや、間違いない。これは…討滅の戦域洞窟です。

チーフ：なっ！！ありえん！そもそも討滅の戦域は別エリアだろう！
部下Ｂ：これを見てください。システム上は別エリアですが、ニイ島全体マップではちょうど塔の真下に戦域の洞窟が広がっています。
チーフ：そんな話聞いてないぞ！
部下Ｂ：偶然かもしれませんが…おそらくこの情報をもとにバラウールが独自にリンクを構成したものと…
チーフ：リンクを切れないのか！
部下Ｂ：論理的には別のネットワークです。ここの設備ではアクセスできません。

チーフ：くそ！何か方法はないのか！
部下Ａ：…できるかもしれませんよ…バラウールの弱体化。
チーフ：なにか良い案があるのか？！
部下Ａ：……討滅の戦域のマテリアルを減らすんです。

チーフ：なにぃ！
部下Ａ：おそらくバラウールのパワーの源は地下資源…マテリアルです。
部下Ｂ：それを減らせばバラウールは今のパワーを維持できない…か。
チーフ：しかしそんなことをしたらプレイヤーの報酬も減ってしまう。苦情どころの騒ぎでは済まんぞ。

部下Ｂ：幸い一部のプレイヤーの間で、マテリアルのリポップはバグではないかと噂が流れています。
チーフ：バグでしたということにしろというのか？運営の信頼が失墜するぞ！
部下Ａ：ですがこのままニイ島の塔9階が攻略不可能では、おそらく消費者庁が黙っていません。
部下Ｂ：攻略できないコンテンツを放置したとなれば…よくて厳重注意、下手すればサ終の恐れも…
部下Ａ：戦域の報酬減なら、ただのバグで済ませられます。 

チーフ：……わかった。戦域のマテリアル減少を実行しろ。
部下Ａ：チーフ…よろしいのですか？
チーフ：すべての責任は私がとる。
部下Ｂ：わかりました。緊急メンテナンスに入ります。
チーフ：くそっ！…すまない…全プレイヤーの諸君…本当にすまない…

せめてこのくらいの説明はあってもいいと思います（マテｗ