バナナの旅日誌

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キャラストユーザーと爆撃機のお話


 エイブラハム・ウォールドの爆撃機の話って知ってる?
 キャラストやってて、ちょっと思い出したのね。
 まぁ、そこそこ有名な話だけど、知らない人もいそうなので概要だけね。
 第二次世界大戦中のお話なんだけど、敵の射撃による爆撃機の損失を最小限に抑える方法を検討せよって話があったわけ。海軍分析センターの研究者は、任務から戻った航空機が受けた損傷の研究を行ったわけ。下のイメージみたいな感じかな。でね、最も損傷が多かった部位に装甲を施すようすすめようとしたのね。


 でもね、ウォールドは違ったのよ。

 彼は海軍に対し、『帰還した航空機が損傷を受けていない部位を補強することを提案』したのさ。

 もうわかるよね。
 
 分析センターによる研究は任務から「生還した」航空機しか考慮していない。撃墜された爆撃機が損害評価に入っていないって事だね。
 つまり、見方を変えれば『帰還した航空機に空いた穴』は、『爆撃機が損傷を受けても安全に帰還できる場所を表している』とも言えるわけだって事だよね。
 少し難しい言葉で言うとこれって

『生存者バイアス』


 って言うんだよね。

 色んな場面で生存者バイアスで間違った判断ってあるみたい。

 古参ユーザーって何

 良くねキャラストでもユーザーのご意見を伺うって話があるね。アンケートもそうだけど、ファンミーティングだとか、そう言った場面で古参ユーザーの声って聞きがち。
 特に長期継続したアプリに関しては、古参ユーザーさんが前面に出がちで、そこで出た不満点とか改善提案とかも聞きがち。

 だけど、
 それってあまり嬉しくない事も多い。
 彼らの不満点って、ウォールドの分析で言えば。

 『長く残存する古参ユーザーが持つ不満点』は、『ユーザーが不満を持っても、ユーザーとして残存できる不満点を表している』とも言えるわけだって事だよね。

 逆に『離陸したのに任務途中で撃墜されて墜落した爆撃機』は、『インストールして離陸して数週間楽しんだのに、途中で去っていってしまったライトユーザー層』だって事だよね。
 古参ユーザーのご希望は、ライトユーザー層にとっては、全く明後日の斜め下の要求である事もしばしばで、そんな意見を聞いている限り、ユーザーは増えない(爆撃機は撃墜され続ける)という事は容易に想像がつくよね。


 生存者バイアス恐るべし、


って思うのね。

 ほな、また。




バナナ

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