A｢…はい。…はい。失礼します｣ﾋﾟｯ

C｢どうだって？｣
A｢明後日には退院できるって｣
C｢そっかぁ、よかった｣
B｢…｣


A｢B、元気出せよ、気にするなって！｣
C｢そうだよ！リーダーもたまにあるっていってたし！｣
B｢…いやぁ…｣


A｢落ち込む気持ちは分かるけどさ｣
C｢B、こっちにきて初日だったでしょ？｣
B｢…うん…｣
A｢初日ならわかんない事もたくさんあるじゃん｣
C｢そうそう！仕方ないって！｣


B｢…はぁ…まさかこんなことになるとは…｣


A｢おれも最初こっち来た時戸惑ったもん｣
C｢おれも！つーか高屋敷さんとの昇格面談で既に戸惑った｣
A｢Bも昇格面談受けたんでしょ？｣


B｢…うん。バイト終わりに高屋敷さんから呼び出されて。その時点でテンパってたのかな…｣
A｢面接何か言われた？｣


B｢褒められた。良く食い止めてくれてるねって｣
C｢おれも言われた。君達のお陰で月初は儲かるって｣
A｢まじか。皆けっこう回してるんだね｣


B｢で、その後、ロヴァニエに興味あるかって｣
C｢うん。それで？｣
B｢ありますって答えたら、じゃー明日からロヴァニエに出勤してねって｣
A｢同じパターンだね｣
C｢そだね。その時、注意事項言われたでしょ？｣


B｢…それがさ、あんまり覚えてないんだよね…｣
A｢まじか…まぁ緊張するもんね｣
C｢そう？おれは凄く眠くなったけど｣
A｢まじか！なんでよ？｣
C｢高屋敷さんさ、なんか、揺れるじゃん｣
A｢あぁ、左右に揺れる｣
C｢それ見てたらすっごい眠くなった｣
A｢あの揺れ、催眠要素あるのかw｣
C｢そうかもwなんか頭の中に直接話しかけられてるようなw｣
B｢…｣
A｢あっ…ごめん…それで覚えてないと？｣
B｢うん｣


C｢じゃーさ、取り敢えずおさらいしてみよう｣
A｢そだね｣
B｢…お願いします｣


A｢まず、スロウがない｣
C｢これは大きいよね｣
B｢えーと、スロウなしっと｣ﾒﾓﾒﾓ


A｢んで、強く殴っちゃいけない｣
C｢不思議だよねぇ。なんでだろね？｣
B｢あー、なんか言われた気がする｣
A｢おっ、思い出してきた？｣
B｢うん。トントゥリの時の6割くらいねって｣
C｢そうそう。弱く殴るって難しいのに｣
A｢おれ初日全力で殴って怒られたもんw｣
C｢まじかw｣
A｢プレイヤー、キョトンとしてたw｣
C｢日誌で調べたのかな？事前情報と違う！みたいなw｣
B｢6割っと｣ﾒﾓﾒﾓ


A｢あと、今までのバイトではうちらバイトだけで戦ってたけど、ロヴァニエでは社員も一緒に戦う｣
B｢うん。リーダーのことだよね｣
C｢そう。あの人一応課長らしい｣
A｢まじか！凄いんだあの人｣
C｢初見阻止率100%｣
A｢どこの甲斐キャノンだよw｣
C｢ある意味スロウより止めるよねw｣
B｢あのさ、リーダーさ、なんか変な技使わない？｣
A｢えっ？大号令じゃなくて？｣
B｢うん｣
C｢いつ使うの？｣
B｢んー、大号令の前かな？｣
A｢技吹き出し出てた？｣
B｢うん。すっごく一瞬だけ｣
C｢なんて書いてあったの？｣



B｢たしか…バフ解除｣



A｢あー！だからか！いきなり相手柔らかくなる気がしてた！｣
C｢そーゆーことか！…つーかそれいーのかな？｣
A｢もしかしたらリーダーだけ隠れてやってるんじゃない？｣
C｢バフ解除したらタンクすぐ逝くもんね｣
A｢いや、タンクだけじゃない。後衛のクイックとかダメ系バフも｣
B｢たしかにあれ出てから相手遅くなった気がする｣
C｢まじかぁ。リーダー飛ばされないかな？｣
A｢大丈夫でしょ？課長よ？阻止率100%の｣
C｢甲斐課長www｣


B｢あっ、だからあの人最初タンク変えたのか｣
A｢え？だれ？｣
B｢前科の人｣
A｢あぁ、こないだの人ね｣
C｢タンク、ポロックスじゃなかった？｣
B｢スロウないって聞いてたんだろうね、ポロックスだった｣
A｢ポロックスはNS毎に防御力上がるからね｣
C｢あー、スロウないから5スタックになるはずってことか｣
B｢んで、うちらに倒された時、えっ？みたいな顔してた｣
C｢そりゃそうだよね。スロウないのにいきなり死ぬからね｣
B｢で、またソフィアに変えてたよ｣
A｢垢バンされないのか！｣
C｢流石にされないでしょw｣
A｢高屋敷さんにいったのに！｣
C｢まじかwなんて言ったの？｣
A｢嘘つきがいますっ！って｣
C｢www無理でしょwww｣
A｢名前も言ったけど、｢んー、知らねっ｣って｣
C｢そりゃただのプレイヤーの名前知らないでしょw｣


A｢んで、その前科の人は超えてったの？｣
B｢うん。ソフィアで無敵とかで乗り切ってた｣
C｢なんかポロックス可哀想だな…｣


A｢あと、リーダー増えたからうちら5人体制｣
C｢プレイヤーからしたら嫌だよね｣
A｢でもほら、制限時間5分伸びてるみたいだし｣
C｢あっそうなんだ。だから最近疲れ取れないのか…｣
A｢でもHPは全体で、500万くらい上乗せされてるから｣
C｢HP増えたら逆に長く走らなきゃいけないじゃん！｣
B｢え？走らされるの？｣
C｢走る。前と同じ。なのに時間長くなったって…｣
B｢前科の人、走ってなかったよ？｣
A｢え？フの字に走ってなかった？｣
B｢うん。毒きたら無敵って感じで｣
C｢攻撃は？誰だった？｣
B｢…前と同じだと思う…｣














A｢…エルサか。｣
C｢…エルサか。｣












A｢…で、最後が…あぁ、言い難いんだけど…｣
B｢…毒だよね…｣
C｢うん。相手に毒与える｣
A｢基本相手は毒スタック5入る｣
C｢フォルク増えたもんね｣
B｢フォルク？なんで？｣
A｢フォルクのサブ★5で毒解除だから｣
B｢なるほど｣


C｢毒厄介だよね…｣
A｢う、うん…｣


B｢…はぁ…｣


A｢落ち込むなって！｣
C｢そうだよ！明後日退院っていってたじゃん！｣


B｢いや、そうだけどさ…｣


A｢…というか、状況が掴めないんだけどさ｣
C｢…おれも。Bが毒でやらかして、AAさんがまた入院したってことしか聞いてない｣


B｢…初日でさ、気合い入りすぎたんだと思うんだよね…毒剣もかっこいいからさ｣
A｢うん。それで？｣
B｢で、相手のタンクに必死に毒剣食らわしてたの｣
C｢うん｣
B｢したらさ、後ろでAAさんが急に倒れて…｣
A｢急に？｣
C｢なんで？｣
B｢…力入りすぎてたみたいでさ、タンクに毒剣食らわす時、すっごい振りかぶってたんだよね…｣
C｢え…まさか…｣
B｢…うん。前後同時に攻撃しちゃったみたいで…｣
A｢なにその技｣
C｢…で、AAさんは毒食らったと…｣


B｢…後ろで音したからなんだと思ったら、AAさん、全身緑色になってて…｣
A｢…スタック幾つになってた？｣
B｢スタック10…｣
C｢…AAさん、よく死ななかったな…｣


A｢ま、まぁ！何はともあれ無事だったわけだし！｣
C｢そうだよ！AAさん優しいから平気だよ！｣
B｢…うん。戻ってきたらちゃんと謝るよ…｣

ﾃｯﾃﾚﾃﾝﾃﾚﾃｰﾃｰﾃﾝﾃﾝﾃﾝﾃｯﾃｰ
ﾃｯﾃﾚﾃﾝﾃﾚﾃｰﾃｰﾃﾝﾃﾝﾃ ﾋﾟｯ

A｢はい。…はい。えっ？…まじすか…はい。｣
C｢なんだ？｣
B｢さぁ？｣
A｢そうすか…えぇ、なんとか…失礼します｣ﾋﾟｯ


C｢どうした？｣
A｢…AAさん、退院伸びたって…｣
B｢えっ…なんで…｣
A｢毒は抜けたらしいんだけど、なんか…｣
C｢なんか？｣
A｢ずっと｢毒剣…毒剣…｣って呟いてるって…｣
B｢…まじか…｣
C｢AAさんいないってことは、まさかA？｣
A｢…うん。6連勤｣


B｢…ごめん｣


A｢大丈夫だよ！慣れてっから！｣
C｢そ、そうだよ！Aは前、7連勤してたんだぜ！｣
A｢6連勤くらい余裕！｣
B｢…みんな、ありがと｣
A｢いいんだって！友達だろ！？｣
C｢困った時はお互い様だよ！｣
B｢友達…う、うん！ありがとう！本当にあり｣

ｶﾞﾁｬ

リ｢お疲れさん｣


C｢リーダー、お疲れ様です！｣
リ｢おう！B！あんま気にすんなよ！｣
B｢グリマルキンさん…ありがとうござ｣


リ｢A！聞いてるとは思うけど10連勤な！｣
A｢はい、えっ？10？｣
リ｢おう！おれ週末温泉行くからよ！頼んだぞ！｣
A｢えっ、いや、6って聞い｣
リ｢楽しみだなぁ！なんでもお土産屋さんが凄いんだと！何がすごいんだろうなぁ！楽しみだなぁ！｣
A｢えっと、グリマルキンさん、聞いてま｣
リ｢じゃー頼んだぞ！｣


ｶﾞﾁｬ


A｢…｣
B｢…｣
C｢…｣


ﾋﾟｯﾋﾟｯﾋﾟｯ

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ

ﾌﾟｯ

ラ｢はい、アルアリア労働基準監督署です｣
A｢すいません。相談したいことが…｣
ラ｢労働基準法違反ですか？大丈夫よ。私がなんとかしてあげるわ。バキューン!｣

おわり。

四季(前科8犯)